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「CPI改訂値に向けての日銀の認識」


 10月18日に9月7~8日分日銀金融政策決定会合の議事要旨が発表された。8月25日の基準が改定された消費者物価指数の発表後の決定会合であったことで、特にその消費者物価指数に関する発言などが注目された。

 7月全国消費者物価指において2005年の新基準で+0.2%と発表され予想された+0.5%を下回った。2000年基準から2005年基準に伴う修正値が市場予想の0.2%程度から実際には0.4%程度あった。これはある程度携帯電話の通信料分で説明が可能とみられる。いずれにしてもこれはあくまで技術的なものとは見られていたものの、相場は過剰反応を示し10年債の利回りは1.8%から1.6%へと急低下している。この理由としては、この消費者物価指数の改訂によって各なくとも年内もしくは年度内の追加利上げが困難との見方を市場参加者の多くが示したためと解説された。

 しかし、現実にはその肝心要の日銀は基準が改定された消費者物価指数を確認してあともこれまでの方針に大きな変化がなかったことが、9月7~8日分日銀金融政策決定会合の議事要旨からも伺えるのである。たとえばCPIに関しては次のような発言があった。「消費者物価(全国、除く生鮮食品)について、委員は、2005年基準指数の動きをみてもプラス基調で推移しており、先行きも、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していく中で、前年比プラス基調を続けていくと予想されるとの見方を共有した。」さらにその上で改訂の影響についても、

 「委員は、消費者物価指数の2000 年基準から2005 年基準への改定について、前年比押し下げ幅が大方の事前予想を幾分上回ったことに言及したうえで、この基準改定は物価を巡る基本的な判断に変更を迫るものではないとの見方で一致した」

 ここには市場参加者の見方とややギャップがあったものとみられる。私自身は日銀の方針には変化なく年内利上げも可能としていたが、基準改訂後はこういった見方は極めて少数派ともなっていた。  

 ただし「一人の委員は、基準改定に伴い、技術革新や規制緩和が進む品目のウェイトが大きくなったことが、今後の指数の推移に及ぼす影響にも注意を払いたいと述べた」といった発言にはやや注意も必要であり、改訂の影響がまったくないわけではないことも示唆している。

 もちろん今後の政策変更に時期に関しては、「経済・物価情勢次第であり、現時点で何らの予断も持っていないことを丁寧に説明していくことが大切であるとの認識を共有した」とあるように引き続きフリーハンドという日銀の姿勢に変化がないということでもある。
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by nihonkokusai | 2006-10-25 10:49 | 日銀 | Comments(0)
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