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「武藤副総裁会見」


 債券相場はCPI基準の改定に加えて、その後の鉱工業生産指数速報や機械受注といったこれまではどちらかといえばそれほど反応してこなかった経済指標にも過剰反応していた。さらに米国債の動きに妙に連動するような展開も続いていた。また、イールドカーブが極端に動いたりするといったこともみられていた。

 これらの動きにどれだけ影響があったのかは確認できないものの、天然ガスなどの商品先物で痛手をくったヘッジファンドなどによるポジション解消の動きもあったのではないかとみられている。特に円債に対しては量的緩和解除に向けて日銀が動いていた際に、一部のヘッジファンドが、かなりのロットでフラットニングポジションを作っていたとみられる。そのポジションは実際に量的緩和解除後なかなり解消されていたとみられるが、一部ポジションが残り、ヘッジファンドの決算に向けての解消の動きが一時的に出ていたのでしないかともみられていた。

 また、債券相場がどちらかといえば買いの材料に反応しやすくなっていたのは、好需給という側面もあったが、市場の日銀による追加利上げの時期を巡る思惑がかなり後ずれし、少なくとも年内の追加利上げ観測は急速に後退していたことなども大きい。

 こういったマーケットのマインドを察してか、武藤副総裁は10月6日の、講演後に行われたの記者会見においてそういった見方を牽制するような発言を行った。

 「日銀の基本的なスタンスは、繰り返し言っている通り、予断を持っていない。今後、事態の変化、次々出てくる経済・物価関係の指標を見て判断していくわけだが、そういうデータが一つ一つ現実のものになれば、市場もそれを織り込んで、自律的な判断をされる可能性が十分ある。」

 日本経済の下振れに影響するようないろいろなリスク要因もあるが、たとえば米経済に対しても「住宅産業が全てではない。その他の指標を見ると、住宅を除くと好調なものが多い」といったように日銀は悲観的にはなっていないものとみられる。

 日銀は、今後の日本経済の拡大基調には変化はなく、さらに物価も上昇するとの展望レポートに沿った動きを見込んでいるともみられ、それを指標が裏付けてくれば自ずと追加利上げ時期について市場は判断してくるであろうとの見方と思われる。

 年内どころか年度内の追加利上げ観測まで後退との見方も強まったように思われるが、日銀は次の一手については否定もせず、それに向けての姿勢も崩していない。ここにきてアジア情勢が緊迫化しているが、外部要因に大きな変化がない限り、日銀の追加利上げのタイミングが年内であったとしてもおかしくはない。
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by nihonkokusai | 2006-10-11 12:20 | 日銀 | Comments(0)
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