牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「小泉政権下での国債市場」


 小泉純一郎首相が2001年4月に就任してからの5年半の間に、国債市場も大きく変革し、さらにこの間は日銀の金融政策も大きく様変わりした。国債発行額を30兆円に据え置くといった公約は結果としては2002年度から2005年度にかけては結果としては守られなかったが、2006年度の新規国債の発行額は30兆円を割り込むとともに、今後も減少していくことが期待されている。それでも新規国債が発行され続け、国債残高は増加し続けた。 2001年からの新規国債の発行額は以下の通り。

 2001年度(補正後)300,000億円、2002年(補正後)349,680億円、2003年度364,450億円、2004年度365,900億円、2005年度(補正後)334,690億円、2006年度(予定)299,730億円。

 小泉政権下では財政構造改革の旗印の元国債発行額を抑制しようとの動きも強まったが、それでも国債の残存額は小泉政権発足前の2000年度末の380兆6,546億円から今年度末は685兆6042億円と結果としては304兆円もの増加となっている。

 しかし、これだけ国債残高は膨らんでも長期金利は低位安定し続ける結果となった。この最大の要因としては国債に対しての信認が維持されていたことが大きい。これは小泉政権の財政構造改革に向けての姿勢といったものも影響したと思われる。もちろん日本の国債のほとんどを買っているのが国内の機関投資家であるという事実も大きいが。

 さらにこの時期はデフレ圧力が強まっていたことも国債の安定消化に貢献している。日銀は小泉政権発足前の2001年3月に量的緩和策を実施しており、短期金利がゼロ近辺に維持され続け、さらに日銀から大量に供給された資金が結果として国債に回り、運用難となっていた投資家も少しでも利回りを求めて国債を買いつけていた。しかし、2006年3月に日銀はこの量的緩和策を解除している。

 また国債の安定消化に関しては財務省による国債管理政策の強化といったものも影響している。2003年には国債ペーパレス化、国債バイバック開始、個人向け国債発行開始、2004年にはWI取引開始、物価連動国債の発行、そして国債市場特別参加者制度がスタートした。2005年には国債に係る海外説明会(IR)も開催され、そして2006年には固定利付タイプの個人向け国債発行、財務省による金利スワップ取引開始、さらに国債引受シンジケート団も廃止されたのである。
[PR]
by nihonkokusai | 2006-09-19 10:40 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー