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「9月11日、日銀総裁記者会見より」


 消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の基準改定による伸び率低下について福井総裁は、3つのポイントを上げている。

 1つ目、パソコンなど価格下落幅の大きい品目において指数算式上のリセット効果がみられたこと。

 2つ目は、足もとで価格下落が加速している薄型テレビなどいくつかの品目が新規採用されたこと。

 3つ目は、移動電話通信料などの既存品目において指数算出方法が変更されたこと。

 このうち今回の基準改定による0.5%ポイント程度の押し下げ幅が、市場の事前予想を上回ったことについては、この3つの要素のうち、1つ目と2つ目は概ね事前予想の範囲内としながら、3つ目の携帯電話等の指数算出方法変更による影響が大きかったとしている。

 なぜこの部分が見落とされていたのであろうのかという疑問も残る。消費者物価指数を算出しているのは総務省統計局であるため、細かい修正ポイントについては事前に日銀などには知らされていなかったのかもしれない。

 ただし、「3つ目の指数算出方法変更の影響の多くについては、指数の変化時点から1年を経過した時点で、前年比への影響が剥落する可能性が高いと考えています」と福井総裁は述べているように、今年11月以降についてはこの部分は剥落してくるとみられる。

 追加利上げを考えるにあたっては、CPIはあくまでそのための目安のひとつに過ぎないとはいえ、重要視されていることも確かである。CPIは8月、9月の数値が物価の上昇を示していれば追加利上げにも動きやすいとみられるが、11月以降の数値を見てからということも一応念頭に入れておく必要もあるのかもしれない。

 さらに総裁はこのCPIを受けての長期金利の急低下について、「市場が、物価指数の基準改定なりそれ以外の経済指標の出方によってその都度強く反応する。ポジティブかネガティブかいずれの方向にせよ強く反応する。これは市場が生きている証拠であり、市場が正しく行動していると私どもはいつも思っています」として牽制するような発言はしていない。これはもちろん「容認」したわけではないが、明らかな牽制を避けることで市場を混乱させるようなことは回避したいとの思いもあるとみられる。

 「10 月の展望レポートを公表する時までにさらに細かいデータを積み重ね、おそらくその時点では、もう少し明確に成熟化のスピード感をお示しすることができるかどうか、十分な自信はありませんがその努力はしなければならないと思っています」今回、総裁会見においては追加の利上げ時期についての言及はなかったが、少なくとも10月の展望レポートを出してからではないと難しいことも確かであろう。
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by nihonkokusai | 2006-09-12 12:32 | 日銀 | Comments(0)
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