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「7月のCPI受けての債券相場」


 8月25日に発表された7月全国消費者物価指数(除く新鮮)は+0.2%と予想の+0.5%を大きく下回ったことをきっかけに、債券相場は債券先物や中短期主体に大幅に上昇した。25日の債券先物は134円台に入り一時134円19銭と前日比1円高まで買い進まれた。債券先物の中心限月が134円台に乗せたのは6月8日の134円07銭をつけて以来となった。

 この日の現物は、10年280回が一時9.5毛強の1.700%、20年89回が7.5毛強の2.125%が買われ、中期はさらに買い進まれ、5年59回は10毛強の1.190%が買われて 1.2%割れとなり、2年247回は10.5毛強の0.655%が買われた。ユーロ円金先も2007年3月限が0.1%低下の0.715%をつけるなど中短期の軒並み10bpもの低下となっていた。

 金融政策の影響を受けやすい中短期主体に大きく買われたことから、7月全国消費者物価指数を受けて、年内の追加利上げ観測後退といった見方が広まったものとみられるが、すでに7月の公社債投資家別売買動向において5か月ぶりに買い越しに転じていたメガバンクなどが、中短期主体に買いを入れてきたことも背景にあるものとみられる。

 7月全国消費者物価指数発表前日の27日の引けにかけてやや妙な動きもあった。年金など引け値での買いといった注文を出すケースがあり、引けにかけて長期、超長期主体に妙に買われるといったことがある。27日もそういった買いが入ったとみられ、引けにかけて現物の長期、超長期が買われたが、中期もやはり同様に買われていたのである。これは前日までにもみられていたメガバンクあたりからの買いではないかとも観測されていた。CPIの結果を知っていての買いではないかとの観測すらあとで出たものの、さすがに現在はリークといったことも考えづらい。メガバンクもこれまで大きく売りこしていた反動とともに、預貯金金利の引き上げなどにも対応する必要から買いを入れたのではないかとみられる。そのタイミングとしてCPIを見てから、とも思われたが先回りしての買いも入ったのではないかと思われる。

 債券は9月の国債の大量償還を控え、さらにインデックスの長期化などによる年金などの買いも入っているなど需給はかなり良好となっていた。そこに少し動きを見せるだけでも規模の大きな売買となるメガバンクの参入などによって、さらに需給が締まっていた。25日の店頭では地方主体に数多く戻り売りも入っていたとみられるが、それ以上にこういった中央からの買いが大きかったようである。

 投資家の現物買いの背景には、米国での住宅販売の不振などに見られるような米経済の減速懸念といった要因も大きい。米7月の米PPIがコアベースで予想外のマイナスとなったことやCPIコア指数が0.2%増と事前予想を下回るなどしたこともあり、米FRBの利上げ再開観測といったものも後退し、これを受けて米債が買われた。さらに足元の景気は好調な欧州においてもドイツの連邦債が買われるなどしており、米国経済の減速が欧州経済にもいずれ影響を及ぼすとの見方から、欧米の長期金利がともに低下基調となっていたことも、日本の債券相場を押し上げた要因のひとつである。

 債券の好需給と欧米の長期金利の低下といったことを背景に、CPIをきっかけとして、買いが入りやすい地合の中、債券相場は急伸した。 CPI自体から日銀の年内追加利上げ観測も後退したともみられるが、今回は市場予想は確かに大幅に下回ったものの、あくまで基準改定にともなってのものでもある。そうはいっても+0.2%というのはやや心もとない数字でもあり、今後これがさらに上昇基調となるかどうかが注目される。

 日銀は年内利上げは否定していないものの、ゆっくりと追加利上げのタイミングを計っているとみられる。今後のCPIの数字を少なくともあと2回程度確認した上でなければ、追加利上げは難しいのではなかろうか。それでもCPIの上昇基調が確認できれば、再び年内利上げの可能性はありうる。このため少なくとも9月あたりまでの利上げの可能性は薄いとみられ、10月31日の決定会合以降での年内での追加利上げを引き続き予想している。

 当面の債券相場は9月のBPIなどを意識した買いもまだ入るものとみられ、戻りを試す展開が予想される。しかし、あまりピッチの早い上昇であっただけに、今後何かしらのきっかけ次第では戻り売りも入りやすくなる。経済指標などとともに、本格的な夏休み明け後の日銀関係者からの発言といったものにも注意が必要となろう。
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by nihonkokusai | 2006-08-28 10:57 | 債券市場 | Comments(0)
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