「4~6月期GDP速報値は名目が実質を12四半期ぶりに上回る」
本日発表された4~6月期GDP速報値は実質で前期比+0.2%、年率+0.8%と発表され、前期比で+0.5%から+0.7%かとの予想を下回った。しかし、名目が前期比+0.3%と実質を12四半期ぶりに上回り、 4-6月期国内需要デフレータは前期比+0.095%と2期連続でプラス。民間需要デフレータは-0.047%とマイナス幅が前期より縮小。さらに GDPデフレータは前年同期比-0.8%とやはり縮小傾向を見せるなど、物価の回復基調が鮮明となっている。寄与度に関しては内需+0.3%、外需- 0.1%と外需の寄与度が5期ぶりのマイナスとなった。民間設備投資計画は+3.8%。
ある程度の前期からの減速は予想されていたことで、債券相場などへの買い材料としてのインパクトは限られた。むしろ名目が実質を上回ったことなどがデフレの脱却を意識させるものでもあり、債券の上値を抑える要因ともなった。さらに4-6月期はさておき、先日の機械受注の発表など含めて7- 9月期の上振れを示唆するような指標が相次いでいることなどから、4-6月期の成長減速については一時的なものと意識され、日銀のシナリオに沿った景気回復基調であることには変わりはないとみられる。このため10月末から11月あたりの追加利上げの可能性についても引き続き高い。