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「福井日銀総裁、時事通信社との単独会見」


 7月31日に行われた福井俊彦日銀総裁の時事通信との単独会見の内容が2日に伝わった。この中で、追加利上げの時期について「予断を持って臨んでいない」としながらも、「年内はないとまでは言っていないのが真意だ」と述べたことが伝わったが、その前に須田審議委員が7月26日の須田審議委員の会見における「年内の利上げないと決め付けるのはよくない」と発言していたこともあり、2日の債券市場への影響は限られた。しかし、年内再利上げありとの見方がこれによって再び強まってくる可能性がある。そもそも10月から11月にかけての追加利上げの可能性は当初からかなり高いと私自身は見ていたが、それはさておき、福井総裁は「職責をきちんと全うし、日銀の信認をより確かなものにしていきたい」と述べ小泉純一郎首相が退く9月以降も現職にとどまる考えを示した。金融市場関係者にも引き続き辞任すべきとの声も強いが、しっかりと適切な金融政策の運営を今後も維持していただきたいと思う。

 福井総裁はゼロ金利解除を決断した理由を「いつまでも低いレベルの金利を続けた場合、今は問題なくても、将来(過剰な設備投資など)企業行動の行き過ぎを招くリスクがある」と説明した。足元のリスクよりも将来のリスクを見据えての判断であることを示したが、なんといっても異常な政策を長期に渡り取ってきた弊害も当然あることで、正常化に向けては時間もかける必要があるとともに、行うべきタイミングを逸するとむしろ今後、物価上昇圧力が強まった際などに金利の急上昇を招きかねないことも確かかと思う。今後の政策運営については「中長期的な物価安定を図りつつ、持続的な経済の回復・拡大をより確かにしていくため、フォワードルッキング(先見的)アプローチを採る」と強調したそうであるが、これはこれまでの発言の繰り返しともなっている。

 市場参加者が注目している追加利上げに関しては「(経済・物価情勢が)シナリオ通りに進むのであれば、引き続き小刻みかつゆっくりと金利調整を行う」と述べたそうだが、「ゆっくりと」というのは年内は行わないということを意味しているのでないことも明らかとなった。

 福井総裁は過去最高を記録した6月の鉱工業生産指数などを例示した上で、「引き続き経済は順調に推移し、息の長い成長・拡大持続の線が確認されている」との景気認識を表明。物価に関しては「(デフレに逆戻りする)リスクは薄れているし、今後もさらに薄れていく方向は間違いない」との見通しを示した。経済や物価の動きについては、日銀の展望レポートの予想した範囲内で推移しているとみられ、米経済の減速といった不安要素はあるものの、日本経済に対しては大きな落ち込みも考えられず、物価についても消費者物価の改定はあるものの、引き続き上昇基調にあるとの認識とみられる。追加利上げについても、少し様子を見るとともに、自民党総裁選終了後の10月以降に経済・物価情勢を確認の上、実施してくるものと予想している。
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by nihonkokusai | 2006-08-02 10:37 | 日銀 | Comments(0)
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