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「8月の債券相場の予想」


 7月の月例経済報告において2001年4月から物価判断で用いてきた「デフレ」の表現を5年4カ月ぶりに削除するなど、物価も上昇基調となっている。消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)は6月も前年同月比プラス0.6%と、昨年末以降、8か月連続のプラス基調で推移している。石油製品以外にも上昇品目が徐々に広がっていることが確認されており、基準改定後についても消費者物価指数の前年比はプラス基調を続けていくと予想されている。 民間設備投資なども堅調な増加を続けている。企業収益の好調は引き続き家計部門にも波及し、個人消費などにも影響を与えている。

 ただし、8月11日に発表される2006年4~6月期の実質GDP成長率は、1~3月期の前期比0.8%からやや減速すると予想されているなど、民間消費、設備投資の伸びがやや鈍化しているといった予想も出ている。米国経済についても先行き不透明感が強い点も気になる。FRBのバーナンキ議長も米経済の減速傾向を認識しながらも、インフレ懸念の強まりを抑えるために8月8日の追加利上げの可能性も完全に排除しているわけではない。

 7月14日に日銀はゼロ金利を解除したが、その後、10年国債が直近で最も売られた5月10日の2.005%を上回ることはなかった。6 月20日に福井日銀総裁は「金融政策の判断、早めに小刻みにゆっくりと」と発言し、このあたりから7月におけるゼロ金利解除観測が強まったが、10年債の利回りの上昇は7月4日の 1.985%までとなった。ゼロ金利が解除された7月14日には1.840%まで買われ、7月21日には1.8%も一時割り込むなどむしろ押し目買いが優勢ともなった。7月のゼロ金利解除についてはかなり事前に織り込まれていたとみられる。

 長期金利の上昇が限定的なのは、米国の景気減速懸念や中東情勢の不透明感、それに影響を受けている原油価格の動向などによるインフレ圧力が強まる懸念などで、米国の今後の金融政策の行方も読みづらくなっていることが要因とみられる。日本におけるインフレ懸念についてはそれほど大きいものではないことで、今後の利上げについても「小刻みにゆっくりと」との認識が強まり、次回の利上げについては年内実施との見方が後退している。しかし、それでも10月以降の追加利上げの可能性はまったくないとは言い切れないこともあり、今後はさらに慎重な展開となることも予想される。長期金利は1.85%から 1.98%のレンジでの動きを予想している。
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by nihonkokusai | 2006-07-31 10:35 | 債券市場 | Comments(0)
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