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「日銀シリーズ?、準備預金制度」


 日銀の準備預金制度とは、銀行に対して受け入れている預金等の一定比率(預金準備率、法定準備率、準備率)以上の金額を無利子で日銀に預け入れることを義務づけている制度です。銀行は預金者保護の立場からも常に一定の余裕金を保有し、顧客からの預金引出しに応じられるように備える必要があります。こうした余裕金のことを「準備預金」と呼んでいるのです。銀行が日銀に預け入れなければいけない最低金額を「法定準備預金額」あるいは「所要準備額」と呼んでいます。

 準備預金制度は1957年に施行された「準備預金制度に関する法律」により、金融政策の手段として導入されました。「準備預金制度に関する法律」の目的としては、その第一条に「この法律は、通貨調節手段としての準備預金制度を確立し、わが国の金融制度の整備を図るとともに、国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」とあります。通貨調節手段という言葉が示すように、これは日銀による金融政策のひとつの柱ともなっていたのです。この準備率を政策的に変動させることによって、銀行の支払準備を直接的に増減させることによって、銀行の資金の運用などにも変化を与えることで間接的ながら景気や物価にも影響を与えようとする手段として用いられることが目的でした。

 支払準備を直接的に増減には預金準備率の変更によって行われることとなっていましたが、現実にはほとんど金融政策の手段として、これが用いられることはありませんでした。ところが、この準備率ではなく日銀の当座預金残高そのものの金額を引き上げることによって、さらなる金融緩和政策を行うこととしたのが、2001年3月から始まった量的緩和政策なのです。

 日銀の当座預金に置かれた金融機関の準備預金を法律で定められた所要準備額を大きく上回る額に引き上げる政策をとることによって、銀行の資金を貸し出しや投資といったものに振り向けさせることがこの大きな目的となったのです。

 ちなみに準備預金制度の対象となる金融機関は、都市銀行、地方銀行協会加盟行、第二地方銀行協会加盟行、信託銀行、外国銀行在日支店、長期信用銀行、信用金庫(預金残高 1,600億円超の信用金庫のみ)、農林中央金庫などです。

 なお、準備預金は準備預金制度によって銀行に義務づけられていますが,銀行以外のたとえば短資会社や証券会社には準備預金は義務づけられていません。さらに日本郵政公社は準備預金制度の適用先ではありませんが、通貨および金融調節の円滑な実施を確保するため、一定期間において日銀当座預金に一定額以上の平均残高を保有するとの契約を日銀との間で締結しています。

 2006年3月に日銀はこの量的緩和政策の解除を実施しました。このため、30~35兆円程度にまで積み上がっていた当座預金残高を「所要準備額」にまで引き下げられることとなりました。ただし上記のように準備預金制度の適用先ではない日本郵政公社などの残高も個々に含まれていたことで、日銀はあらたに準備預金制度の準備預金残高として、金融機関の日銀当座預金残高の合計を表すこととし、当座預金残高から準備預金制度の適用先でない日本郵政公社や短資会社、証券会社の分を差し引かれて発表するようになっています。
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by nihonkokusai | 2006-07-19 10:38 | 日銀 | Comments(0)
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