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「基礎的収支」


 政府は経済財政運営の指針となる「骨太方針2006」を決定した。これにより財政再建に関しては「2011年度には国と地方で基礎的財政収支(プライマリーバランス)を確実に黒字化するとし、財政均衡を目指す姿勢を明らかにした。

 巨額な財政赤字をまず増やさないようにすることが、プライマリーバランスの均衡化であり、それは国債の信用を維持するためにも必要な政策となる。今回はあらためて、このプライマリーバランスについて考えてみたい。

 基礎的財政収支とはプライマリーバランスとも呼ばれるが、国の税収から国債の利払費・償還費を除いたものから、政府支出を差し引いたものである。プライマリーバランスがプラス(またはマイナス)の場合には、プライマリーバランスの黒字(または赤字)と表現する。

プライマリーバランス=税収等-(政府支出-利払費・償還費)

 プライマリーバランスが均衡すれば、毎年度の税収等によって、過去の借入に対する元利払いを除いた毎年度の歳出をまかなうこととなる。国債の元利金払いに充てる国債費と、新規に発行する国債の金額がほぼ同額となりプライマリーバランスが均衡し、その上で金利と名目成長率がほぼ同じとなればあらたな借金は増えない。

 プライマリーバランスの均衡化とはあくまで新たな借金を作らないことであり、膨大な政府債務を削減するには、少なくともプライマリーバランスを黒字化する必要がある。しかし、現在のように一般歳出が税収より大きと、税収に加えて国債からの収入を充てることになるため、プライマリーバランスが赤字の状態が続いている。

 今後は高齢化も進み、税収の伸びもそれほど期待できないため、さらに赤字幅が増加する懸念もある。プライマリーバランスを保つためには大幅な歳出カットが必要となり、政府は今回の骨太方針において、来年度から5年間で総額11.4兆から14.3兆円を削減する見込みとなっている。削減幅に幅があるのは景気の状態によって変わってくるためである。それだけではプライマリーバランスの均衡化にはまだ足りないことで、歳入改革の必要性にも言及しており、いずれ消費税などの増税といったことも実施されると思われる。


膨大な政府債務は、いずれ国民の税金で返していかなければならないが、現在の国債残高をすべて短期間に返済するというのことは現実的に不可能である。ただし、日本政府に対する信任が続く限りは国債を最終的に償還せずに、借り換えの繰り返しで、ある程度赤字財政を維持していくことは可能である。国の財政赤字が維持可能であるためには、このプライマリーバランスがある程度の黒字であることが必要とされるのである。
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by nihonkokusai | 2006-07-10 13:08 | 国債 | Comments(0)
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