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「ロンバート金利」


 3日に発表された日銀短観において、大企業製造業の業況判断DIが+21と2四半期ぶりの改善となり、2006年度の大企業の設備投資計画は、前年度比+11.6%と事前予想を上回った。日本経済の改善が続いていることを示す内容となっていた。

 これを受けて7月13日から14日にかけて開催される日銀金融政策決定会合におけるゼロ金利解除の可能性が高まった。さらにゼロ金利解除による無担保コールレートの誘導目標値の引き上げとともに、同時に引き上げが予想される公定歩合(ロンバート金利)についても現在の0.1%から0.5%近辺に引き上げられるのではないかとの観測も出てきた。

 今回はこのロンバート金利について振り返ってみることにする。2001年2月9日の金融政策決定会合において日銀は、公定歩合を 0.15%引き下げ、「ロンバート型貸し出し」を導入することを決定した。これによって、それまで形骸化していた公定歩合が別の機能を持つことで生まれ変わった。

 「ロンバート型貸し出し制度」の正式名称は「補完貸付制度」とされ、2001年3月16日から実施された。このロンバート貸し出しとは、担保があれば金融機関の要請によって、公定歩合の金利で翌日まで資金を貸すという制度である。ただし、この貸し出し額は金融機関が日銀に差し出している国債などの担保額の範囲内になる。

 信用不安などが起きた際に、銀行の資金調達が難しくなってしまった際など、ロンバート金利を利用すれ低利で資金調達する事が可能になる。これは緊急時の安全装置ともなり、金融機関にいつでも貸してくれるという安心感があれば市場全体の安定、つまり金融システムの安定化にもつながる。従来の日銀貸し出しと異なっている点は、従来の貸し出しについては日銀が決定していたが、この制度は金融機関が担保の範囲内であれば実施できるところに違いがある。

 ちなみにロンバート金利のロンバートと言う名前はイタリア中世から近世のロンバルディア地方出身の銀行家に由来し、この銀行家の商人への貸し出しの方法から来ているものと言われる。通貨統合前のドイツの中央銀行であるブンデスバンクは債権担保貸し出しの金利を「ロンバート金利」として市場金利の上限としていたことで、日銀はこのブンデスバンクの手法を取り入れたものとみられる。

 異常時の対応としてのロンバート型貸し出しの導入であったが、ゼロ金利も解除され平時に戻る際には、このロンバート金利の役割も変化してくるものとみられる。コールレートとロンバート金利のスプレッドをどの程度に置くのかというところもゼロ金利解除時の注目点となる。
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by nihonkokusai | 2006-07-04 15:49 | 日銀 | Comments(0)
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