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「7月ゼロ金利解除の可能性が再び高まる(レポート原稿)」


 20日に日銀の福井総裁は日本記者クラブで講演した。福井総裁の村上ファンドでの運用益は1231万円、元利で2.2倍といった報道もあったが、講演の内容は市場に燻っていた辞任観測を払拭するとともに、今回の件で首相官邸に借りを作ったといったような観測も否定し、むしろゼロ金利解除に向けて姿勢を強めるような内容ともなった。

 講演での福井総裁の発言内容と日銀のホームページにアップされた要旨を見ると、元原稿とみられる要旨には書かれていない表現がいくつかあった。

 この講演内容をロイターやQUICKなどのフラッシュから拾ってみると、まず注目すべきは「金融政策の判断、早めに小刻みにゆっくりと」との発言である。この「早めに」との表現は要旨には表記されていなかった。

 6月1日のブルームバーグによる福井日銀総裁との単独インタビュー記事の中で「われわれの最初のステップが早ければ、2回目以降の判断にはむしろ幅が出てくると考えるのが普通だ。特に、ゼロ金利からスタートして、ゆっくり金利を上げていく」の中のファーストステップが何を指すのかと見方が分かれていた。今回の発言により、これはゼロ金利解除を指していることが確認されたと思われる。

 次に注目されたのが「日銀の政策決定プロセス、政治の動きに左右されることはない」との発言かとみられる。安倍官房長官などがゼロ金利を続けてほしいとの発言を繰り返していたことで、福井総裁を結果として擁護した政府の意向により、ゼロ金利の早期解除は難しくなるとの見方もあった。しかし、総裁は政治の動きに左右されることはないとの表現で、経済・物価情勢を睨んで日銀の判断においてゼロ金利解除を行うことを明確にしたものとみられる。安倍官房長官もこの総裁の発言のあと「ゼロ金利求めるが日銀としての貸し借りは無い」(QUICK)とのコメントをしていた。

 そして「日米欧中銀の方向性が転換、市場のリスクテイクが慎重になるのは当然」とのコメントは、すでに日銀が方向転換していることを明確化している。量的緩和解除は大きな方向転換であったのである。ただし向きを変えただけであったことも確かである。向きを変えてからのさらなる一歩こそはゼロ金利の解除であることを、この発言からは意識される。

 「当預算削減はほぼ終息した段階迎えた」との発言もあったが、これはこれまでに何度かあったが、ゼロ金利解除に向けての準備は終了し、あとは実行するタイミングを待つだけともみられ、それは市場がこれまで予想していた7月である可能性がここにきて再び強まったと思われる。
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by nihonkokusai | 2006-06-21 13:02 | 日銀 | Comments(0)
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