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「福井日銀総裁とのブルームバーグ単独インタビュー」

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 6月1日の夕方に突然ブルームバーグにアップされた福井日銀総裁との単独インタビュー記事に驚いた市場参加者も多かった。日銀総裁が通信社との単独インタビューに応じるということはこれまでほとんど聞いたことはなかったが、極めて異例とも言わざるを得ない。ただし、ブルームバーグは昨年9月に武藤副総裁との単独インタビューを行っており、その際に量的緩和解除に向けてそれまで慎重派とも見られていた武藤副総裁から、踏み込んだコメントが出てきたことが注目された。この武藤副総裁のインタビューによって執行部が一丸となって量的緩和解除に向けての動きを示したことで、微妙に流れの変化を感じさせるものとなっていた。

 今回の単独インタビューがどのような経緯を辿って実施されたのかは外部からはもちろんわからない。しかし、福井総裁が応じたという事実は、武藤副総裁の時と同様にマーケットに向けての執行部の考え方を知らしめたいとの意思も働いたのであろうか。そういった思惑的なものはさておき、その内容について少し見てみたい。

 「これまでは物価上昇圧力が抑止される下で、金融環境の安定が維持され、それが世界経済拡大に寄与してきた。こうした構図に変化が起きると市場が認識すると、国際的な資金フローや金融市場の価格形成に変化が生じ、先ほど指摘した要素に上乗せして世界経済全体に悪影響を及ぼす可能性がある。つまり、市場の動きが悪い影響を増幅する可能性がある。具体的にはそういうことをイメージして下振れ要因を描いている」 私もその可能性を以前に指摘していたものでもあるが、6月の早期のゼロ金利解除観測に対して、日銀は言葉は良くないかもしれないが「火消し」に走ったとみられる。その要因のひとつとして考えられるのが上記のコメントに含まれているのではないかとみられる。

 ただし、これについては総裁は下記のようにも発言している。

 「今、株式市場を見ても、債券市場を見ても、為替市場を見ても、1つの転換点に差し掛かかり、新たな均衡を求めて動いている。私自身は、それは当然あり得るべき予見された現象だし、市場が動くこと自身は、非常にノーマルなことだと思っている。」

 そして、ゼロ金利解除に際しては下記のような発言もあった。

 「今はむしろ、既に非常に緩和した状態にあり、これからその状況を調整していくことが課題になっている。仮に何らかのショックが加わった場合には、調整していくスピードを加減し、民間部門がショックへの対応にある程度時間がかかるということと、うまく平仄を合わせることが非常に有効な政策になる」

 つまり、ゼロ金利解除後の調整スピードについては、状況変化を良く確認して行うということを示唆しているとみられる。
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by nihonkokusai | 2006-06-06 12:27 | 日銀 | Comments(0)
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