牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「当預残12兆円の節(レポート原稿)」

「投資信託と個人向け国債がよ~くわかる本」 発売中です。よろしくお願いいたします。

 3月9日の量的緩和政策の解除以降、日銀の当座預金残高は順調に引き下げられていた。15兆円あたりまでは大きな混乱もなく引き下がるものと予想されていたが、12兆円近辺に引き下げられた際には多少の混乱が出ることが事前にある程度想定されていた。 5月25日には何もしなければ日銀の当座預金残高は11.8兆円と12兆円を割り込む予想となっていたが、朝方にはすでに無担保コール翌日ものは前日の加重平均であった0.035%を上回る0.07-0.08%あたりまで上昇していた。このため日銀は即日手形買いオペを実施した。これにより当座預金残高は 12.3兆円となったが、これでもレート低下は一時的なものであった。

 一部外銀がロンバート調達したといった観測もあったようだが、特に外銀が資金調達に動いているとみられており、さらに一部の大手銀行などにも資金調達の動きがみられていた。25日の無担保コール翌日物の加重平均金利が0.059%に上昇したが、これは期末要因を除くと2001年8月以来のものとなり、結果としてみても当預残12兆円というのはひとつの大きな節であったことが伺える。

 29日には日銀はさらに1兆5000億円の手形買いオペを実施した。即日開始のオペとしては過去最大の供給額で、手形買いオペとしても現行方式となった2000年4月以来過去最大規模となった。そして、即日オペは30日にも5000億円実施されたのである。

 無担保コール翌日物金利が0.1%に接近するなどの金利上昇を受けて補完貸付の利用も急増しており、26日は一日で3771億円もの利用があった。このため日銀は、当座預金残高縮小に伴う急ピッチな金利上昇をけん制する目的で即日オペを実施し大量資金供給を決めたものとみられる。

 短期金利の高止まりはまだ続くものと予想されているが、これはあくまで当預引き下げに伴ってのある意味技術的な問題でもあり、早期のゼロ金利解除といったものが強く意識されてのものではないと考えられる。日銀総裁は当預残とゼロ金利解除は別物との認識を示してはいるが、短期市場が落ち着きを取り戻さない限り、このゼロ金利の解除も当然ながら難しいものとなることも予想される。

 これは短期金融市場の正常化へに向けての大きな通過点にも受け取れる。長きにわたり異常ともいえた量的緩和政策が市場機能を失わさせていたことは確かであり、その機能回復に向けてのひとつの節目とも言えるかもしれない。ここを無事に切り抜けたのち、短期金融市場にとってさらなる正常化への道も開けてくるものと思われる。
[PR]
by nihonkokusai | 2006-05-31 14:57 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー