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「日経新聞による福井総裁会見」

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 23日付け日経新聞朝刊の一面トップは、福井日銀総裁との単独インタビューの内容となっていた。19日には金融政策決定後の定例記者会見も行われていたが、こういった会見では記者の質問の仕方などによっては、なかなか日銀の意図することが明確に伝わらないことも多いのかもしれない。このため単独インタビューに答えるかたちで日銀の意図するところを明確に伝えたいとしてもおかしくはない。たとえば昨年9月2日のブルームバーグ・ニュースとの武藤敏郎副総裁との単独インタビューについても、これにより日銀は量的緩和解除に向けての姿勢を明らかにしたものとも思えた。

 19日の定例会見からそれほど時を経ずに行われた今回のインタビューにも、何らかの意図があったのではなかろうか。今後の金融政策の運営方針として日経新聞は「ゆっくりと金利水準を調整していく」との考え方が伝えられているが、19日の総裁記者会見要旨を見る限り、「ゆっくりと」といった表現は見えない。会見では「経済・物価情勢の変化に応じて徐々に金利水準の調整を行う」「ゼロ金利水準からの脱却の具体的なタイミングについては、現時点で何らの予断も持っていない」と、福井総裁はこれまでの発言内容を繰り返している。

 日経との会見では、「(ICUをでたばかりの日本経済に対して)今しばらくは大事にしないといけない」とも述べている。ただし「ICUを出たばかりだからといって、ゆっくりとばかりはしていられないかもしれない」とも付け加えている。これは6月における早期のゼロ金利解除観測といったものに対しては時期尚早としながらも、その後の解除の可能性については含みを残したものとも受け取れる。

 また、今回の日経との会見のタイミングに関しては、為替市場におけるドル安の動きや、原油先物や金など商品先物価格の乱高下、さらに欧米や日本の株価の調整とともに新興諸国の株価がやや不安定な動きを示していたことなども背景にあるのではないかともみられる。総裁は「市場がずっとしずまりかえっていた後に動きはじめると、しばらくの間はかなり一方的に走りがちになるが、・・・ほかの市場から必ず牽制がかかるので、バランスの取れた動きに戻ろうという力がやがて働いてくる」とコメントしている。

 今回の為替市場、株式市場、商品市場の動きについては6月のヘッジファンドの決算なども絡んだものでファンダメンタルを直接反映したものではないとの見方もあるが、こういったボラタイルな展開の落ち着きを待つためにも、あまりに6月の解除観測は早すぎることを示したかったのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2006-05-23 11:02 | 日銀 | Comments(0)
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