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「展望レポートの注意書きに注意か」

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 「日本銀行では、昨年末のGDP統計の基準改定を機に、新たな方法に基づいて潜在GDPを推計した。潜在GDPの変化率は潜在成長率であり、その水準は、一頃の1%程度から、最近では1%台後半まで回復している。また、実際のGDPと潜在GDPの乖離(GDPギャップ)は、現在ゼロ近傍にあるとみられる。潜在成長率やGDPギャップの推計値は、経済構造の変化や技術革新のスピードなどによって時間とともに変化するほか、データの追加などによって事後的に変わる可能性があるため、幅をもってみる必要がある。」

 「各政策委員は、政策金利について市場金利に織り込まれたとみられる市場参加者の予想を参考にしつつ、上記の見通しを作成している。なお、10月時点の見通しでは、政策委員の見通しを作成するに当たって、先行きの金融政策運営について、不変を前提としていた。」

 4月28日に発表された日銀の展望レポートの内容はほぼ10月時点のものと近いものとなったのだが、その本文よりも上記の注意書きの方がどうやら注目されていたようである。

 潜在成長率の水準が一頃の1%程度から最近では1%台後半まで回復しているとなれば、中立的な政策金利が潜在成長率とインフレ率との和との理解となれば、中立的な政策金利が2%を超えているとの認識ともなりうる。

 さらに2006~2007年度の政策委員の大勢見通しを作成するにおいて、先行きの金融政策運営について、不変を前提としていたものを、政策金利について市場金利に織り込まれたとみられる市場参加者の予想を参考にして作成するとしている。つまり、かなり「利上げ」が織り込まれているマーケットの予想を反映していることとなり、市場というクッションを置きながらも利上げを前提に予想を行ったということにもなる。福井総裁は会見において、「標準シナリオで動くのなら金利調整したほうが望ましい」、「金融政策、早すぎてもいけないが安心し過ぎて遅すぎてもいけない」、「経済が右肩上がりだとアップサイドリスクが念頭に置かれやすくなる」、「適切なタイミングで適切なレベルへの政策金利設定が必要」と発言したようであるが、市場では7月13日から14日にかけてのゼロ金利解除の可能性をさらに強めたようである。 5月末にも当預残は10兆円程度にまで引き下げられる見込みともなり、さすがに金融政策と当預残の関係はなくなったとはいえどもそれまでは金融政策の変更はないと思われるが、その後の6月14日から15日にかけての決定会合でのゼロ金利解除の可能性も意外に高いのではないかと思われる。市場は先を見て動きやすいことで、市場に背中を押されるかたちでの早期解除の可能性も念頭に置いておく必要もありそうである。なんといっても量的緩和解除自体も市場予想よりも1か月以上前に前倒ししていたぐらいである。
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by nihonkokusai | 2006-05-01 09:53 | 日銀 | Comments(0)
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