牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「CPI動向再考」(一部以前のコメントと重複)

 7月以降にコアCPIがプラスに浮上する可能性が出てきたと以前のレポートでも指摘させていただいたが、特に10月以降は特殊要因の剥落とプラスに作用する特殊要因が加わることで、プラス部分が広がり、いわゆる「のりしろ」として機能するのではないかと予想している。

 5月の全国コアCPIがゼロとなったが、6月の全国コアCPIはガソリン価格の下落などからやや足踏みとなると予想される。しかし、7月にはガソリン価格の上昇などにより、再びコアCPIがゼロもしくは若干のプラスになることが予想される。すでにレギュラーガソリンの給油所店頭は7月11日時点で1リットルあたり125.1円となり2週連続で値上がりしている。125円台は1994年8月以来の高値水準となる。

 こういった原油価格の影響による価格転嫁は景気に対してマイナス効果との指摘もあるが、米中などを軸とした世界的な経済成長が続いている現れとも取れるため、それほど重視すべきマイナス材料になるとも言い切れないはずである。また、原油の上昇要因だけでなく、企業による価格転嫁の動きはかなりここにきて広がりも見せている。

 そして、特殊要因によるCPIの押し下げ効果も10月以降に順次剥落してくる。これを個別に見てみると、まず米類については高騰の反動による押し下げの影響が昨年10月から顕われており、それによる影響は今年の9月頃までとなる。今年の米が豊作により価格が急落するようなことがない限り、これはコアCPIの押し上げ要因となる。

 また、もうひとつの特殊要因である電気代について見てみると、関東地方では昨年10月から実質4%ほどの値下げが実施されている。また、東北、中部、九州地方も今年1月から、北海道、北陸、関西、中国、四国地方では4月から値下げとなっている。ちなみに沖縄は6月からの値下げになっている。これによる押し下げ効果もやはり10月に以降順次剥落してくるものと見られる。

 そして、固定電話通信料については、新規参入会社が昨年12月に基本料・通話料が割安な固定電話サービスを始めたことなどを受け、NTT東西地域会社などが今年1月から固定電話基本料の値下げに踏み切った。この影響も来年1月以降剥落するものと見られる。 以上のように特殊要因の剥落は今年10月以降となる。

 さらに、これに加えて、東京電力と東京ガスは10月から半年ぶりに料金を引き上げる。東京電力は1か月の料金を6203円、東京ガスは6699円のそれぞれの料金を10-12月に100円前後引き上げる。ガソリンも値上げが続いている。レギュラーガソリンは19日時点で125.3円で前週よりも0.2円上昇し 3週連続の値上がりとなった。8月以降も3-4円程度値上げせざるを得ない状況となっているようである。日本航空や全日空も11月以降に一律100円以上の国内線の値上げを探っているようである。

 7月の全国コアCPIが前年比ゼロとなり、7月以降にプラスに浮上する可能性が高くなっている。さらに10月以降の特殊要因の剥落とプラスに作用する特殊要因が加わることにより、いわゆるコアCPIの「のりしろ」が広がってくる可能性もある。日本経済の踊り場からの脱却は間違いないとも福井総裁がコメントしているように、景気に対しての強気の見方も強まっている。そうなれば、量的緩和解除のための下記の3条件が揃いつつあると見込まれる。

 1.消費者物価指数(生鮮食品を除く)上昇率が、基調としてゼロ%以上であると判断できること。
2.消費者物価指数(生鮮食品を除く)が先行き再びマイナスと見込まれないこと。
3.こうした条件は必要条件であって、これが満たされたとしても、経済・物価情勢によっては、量的緩和政策を継続することが適当であると判断する場合も考えられる。

 今年の10~12月期の物価と景気の状況を確かめた上で、早ければ来年1~3月期における日銀による量的緩和の解除が実施される可能性も十分にありうると見ている。
[PR]
by nihonkokusai | 2005-07-28 10:13 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31