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「投信のノルマ営業」

 投信が郵便局や銀行でも売られるようになり、以前の証券会社の営業のごとく手数料稼ぎのための頻繁な乗り換えや、ノルマ営業が減ってきているものと期待していたが、どうやら実態はそうでもないようである。

 貯蓄から投資への流れにあって、これまで投資経験のない個人も投信を買いつけてくることがさらに多くなる。11日の日経新聞でも三菱UFJフィナンシャルグループ社長も「60兆円の預金があり、このうち一割が投資商品にシフトすれば、手数料収入は数千億円になる」という発言があった。

 商品性の向上よりも手数料収益を主体とした営業を以前の証券会社のように銀行なども行っているとなれば、投信の普及にマイナスの影響どころか、個人がそっぽを向いてしまいかねない。

 この社長の言から、もし60兆円の一割の6兆円で数千億円稼ぐためには、少なく見積もっても数%の手数料を意識したものとなる。確かに投信の販売手数料も2~3%程度のものが多いが、その投信の販売手数料を取ること自体、実際にはおかしなことである。運用している投信会社に支払うならいざ知らず、何で販売しているところに投資家がわざわざ「販売」のための手数料を払う必要があるのであろうか。

 すでに米国では販売手数料なしのノーロードが主流になりつつある。日本においてもノーロードで、さらに信託報酬も極力抑えての商品性で勝負していかなければ、いま関心を持っている個人もいずれ投信から離れていく危険性がある。

 このままでは銀行までも手数料稼ぎのためのノルマ営業に順ずるような方法が取られることにもなりかねない。営業努力が販売手数料の向上のためとなれば、それは昔の証券会社の体質となんらかわらなくなる。

 投資信託の信託報酬も残高が増えると、何故か販売会社の手数料率が引きあがるものが多い。本来ならば残高の伸びは、運用成績によって伸ばすべきものであり、それは結果として投信会社に反映されてしかるべきものと思う。しかし、現実には販売会社の影響力が予想以上に大きい。さらに系列といったことを考え、親会社の収益向上といったものも意識されているのかもしれない。それでも投信の中にも残高の伸びとともに投信会社の信託報酬の率が高まる投信も存在しているのも確かである。

 投信は個人にとって個人向け国債と同様に、始めて投資する投資商品ともなるものである。どうしても日本では販売会社の力が大きすぎて、投信会社が自力で販売経路を確保することが難しい事情もあろうが、直販を含めて投資家のニーズにあった販売手法をとって行かないと、とてもではないが「貯蓄から投資へ」というスローガンも掛け声倒れともなりかねない。
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by nihonkokusai | 2006-04-12 12:56 | 投資 | Comments(0)
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