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「国債シンジケート団の廃止」

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 2006年3月31日に40年もの長きにわたって存続していた国債の引き受けシンジケート団が廃止された。この国債引受シンジケート団は1966年1月に戦後始めての国債が発行されて以来、国債の安定消化のための組織として機能した反面、国債の競争入札制度の普及とともに形骸化していた。このシ団制度とは、国債の募集、引受を目的として、主要な金融機関(平成17年12月現在1207機関)により組織された国債募集引受団(シ団)が総額引受を行う制度である。

 市中公募入札の導入、その後の拡大によってシ団引受に係る競争入札比率は段階的に引上げられており、国債発行額に占めるシ団引受による発行額の割合は 10%にまで低下していた。シ団制度に代わる日本版プライマリーディーラー制度というべき国債市場特別参加者制度もしっかり機能しており、このためシ団廃止に伴う影響もほとんどないものとみられる。

 国債シ団廃止といえば、思い出されるのが、幸田真音さんの小説「日本国債」である。小説の中ではすでに2000年頃に廃止される設定になっていたが、それから現実の廃止まで6年の期間を要した。市場から廃止を求める声も強かったものの、国債市場特別参加者制度が本格的な軌道に乗るまでは完全な廃止には至らなかったのである。

 この国債引受シンジケート団の廃止にともなって、10年国債入札に関して細かい点ではあるが、違いが出てくるために注意が必要となる。

 まず、10年国債に限ってはこれまで入札時の利率が朝の8時半に発表されていた。しかし、これは正式な発表ではなく、国債引受シンジケート団へ提示する利率の発表に過ぎなかった。このためシ団廃止後は、他の利付国債同様に利率の発表は10時半となる。

 もう一点、注意すべきは入札時の価格である。10年国債にはシ団引き受けがあったため、募集手数料が支払われていた。10年国債の入札における入札に参加している業者の引受競争の結果、実勢価格にこの引受手数料を乗せた価格で入札価格となってしまっていたのである。

 このため、たとえば個人向け国債10年変動タイプの利子の決定に際しての「基準金利」についても、これまでは「基準金利である10年国債の金利は、利率決定前直近に行われた10年国債の入札における平均落札価格から引受手数料に相当する額を控除した価額を基に算出される複利利回り(小数点以下第3位を四捨五入し、0.01%%刻み)とする。」となっていたが、シ団の廃止後は入札時の手数料上乗せといった妙な慣行がなくなる。基準価格についても「平均落札価格から引受手数料に相当する額を控除」といった調整も必要なくなるのである。このため個人向け国債変動タイプの利率の決定も少しわかりやすくなる。
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by nihonkokusai | 2006-04-04 14:15 | 国債 | Comments(0)
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