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「どうする日銀」(レポート向け一部修正加筆分)

 今週の29日以降、日銀が金融政策の目標としている日銀当座預金残高の下限30兆円を割込む可能性が強まっている。29日はかなり微妙なところであり、本日のオペなど次第では、なんとか乗り切れるかもしれないが、8月3日以降はほぼ確実に30兆円を割り込む可能性が強い。

 日銀は5月20日の金融政策決定会合において、「なお書きの修正」というかたちで日銀当座預金残高の目標値(30~35兆円)の一時的な下限割れを容認している。この「一時的」とはどの程度の期間を示すのかは定かではないが、普通に考えれば2~3日と見るのが妥当かと思われる。1週間以上札割れとなった場合には、この一時的という表現はあてはまらないのではなかろうかと思う。

 日銀は手形買入オペにおいて期日を来年ゴールデンウイーク明けまでとする、いわゆる長距離砲を打ってきても札割れとなるなどしていたことから、日銀にとり打つべき手段も限られている。そしてまた、6月14 日、15日の決定会合議事要旨において、資金供給オペの長期化はさけるべきとのコメントが少なくとも3人の委員から発せられている。これは日銀全体の意向にも感じられ、このため期間1年といったオペも打ちづらい。

 それならば、当初の約束どおり国債の買い切り増額をすれば良いではないかとの声もあるが、少なくとも福井日銀総裁の選択肢には国債買い切りの増額は入っていないはずである。このため、日銀の資金供給手段としては淡々とオペを打ってくるほかないと思われる。

 本日27日には日銀の金融政策決定会合が開催される。29日以降、目標値の下限割れの可能性にどのように対応をするのか注目される。日銀当座預金残高目標値の27-32兆円への引き下げも止む無しとの声も出ている。しかし、谷垣財務大臣は当預残目標値の引き下げは方針変更と捉えられるとして、反対の意向を示している。目標値の技術的な引き下げについて福井総裁は含みを持たせているものの、現実に引き下げるとなれば、政府や財務省との間での軋轢を生じさせる可能性もあり、また海外市場などは日銀の引き締め転換と捉えてしまう懸念も残る。それは福井日銀としても避けたいところとなろう。

 結局、今回の決定会合では新たな決定はないと思われる。マスコミからも観測報道もなされていない。そうなれば無理しても「一時的」を期間を広げて拡大解釈してくる可能性もある。確かに8月15日以降は30兆円台が維持されるため、一時的と言えなくもないが、やや釈然としない部分も残りそうである。次回の決定会合は下限割れ真っ只中の8月8日から9日に開催される。
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by nihonkokusai | 2005-07-27 11:02 | 日銀 | Comments(1)
Commented by nihonkokusai at 2005-07-27 11:52
1日の会合にもかかわらず、昼前に日銀金融政策決定会合が終了した。7対2の賛成多数で現状維持、さらに「なお書き」も前回から修正なしとの発表もあったようである。29日以降の下限割れの可能性についても「一時的」なものとして対応するものと見られる。これについて踏み込んだ議論もなかったようである。
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