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「金融政策運営の新たな枠組みの導入」

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 3月16日の日本商工会議所会員総会における福井総裁講演要旨から、3月9日の量的緩和政策の解除とともに打ち出した日銀による金融政策運営の新たな枠組みの導入について見てみたい。

 金融政策について、総裁は本来「フォワード・ルッキング」つまり、柔軟かつ機動的に運営すべき性格のものを前提とした上で新たな枠組みについてコメントしているが、これは量的緩和時の「ビハインド・ザ・カーブ」とは180度異なる方針ともなる。金融政策の正常化とは金利機能を回復させるとともに、柔軟かつ機動的な先を見ての金融政策という機能を回復させることがもうひとつ大きな狙いであったものと考えられる。

 新たな政策運営の3つの枠組みは、まず第一に、金融政策の目的である物価の安定についての明確化を上げている。具体的には、物価の安定についての日本銀行としての基本的な考え方を公表するとともに、金融政策運営に当たり、現時点において政策委員が中長期的にみて物価が安定していると理解する物価上昇率を示すこととし、「中長期的な物価安定の理解」の範囲としては0~2%程度としている。中心値は大勢として概ね1%前後となり今後原則としてほぼ1年ごとに点検を行うことにした。

 「中長期的な物価安定の理解」とはある意味「理解しにくい」表現であり、これは今回の政策運営の枠組みがインフレ目標値といったものとは一線を帰するものであることを示しているものとも思われる。

 第二に、金融政策運営に当たって経済・物価情勢を点検するための視点「2つの柱」というものを明らかにしている。第1の柱は、先行き1年から2年の経済・物価情勢について、最も蓋然性が高いと判断される見通しが、物価安定のもとでの持続的な成長の経路を辿っているかどうかという観点からの点検。第2の柱としては、より長期的な視点を踏まえつつ、物価安定のもとでの持続的な成長を実現するという観点から、金融政策運営に当たって重視すべき様々なリスクを点検することとしている。つまりは、短期的な物価の安定にとらわれて金融政策を運営するのではない面を強調しているように思える。

 第三に、このような点検を踏まえたうえで、当面の金融政策運営の考え方を整理し、基本的には展望レポートにおいて定期的に公表していくこと。 これについて総裁は、実質金利の低下などを通じて、景気・物価に対する金融政策面からの刺激効果が一段と強まる可能性も指摘し、結果として 景気の振幅が大きくなってしまうリスクを含めての長い目でみたリスク要因を点検していく必要性を強調している。これらは結果としてゼロ金利解除を意識したものとも思われる。
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by nihonkokusai | 2006-03-22 09:20 | 日銀 | Comments(0)
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