牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「何故、個人向け国債が発行されたのか」

人気blogランキング クリックのご協力、お願いいたします。

 個人向け国債が発行される前に、何故個人に国債を買わせるのか、個人に国の借金を押し付けるのかと言った意見が出されていました。国の巨額な債務は返済不可能との見方から、個人向け国債は戦時中。大量に発行された戦時債券が連想されたのかもしれません。第二次世界対戦に突入した当時の日本は、巨額の軍事支出をまかなうため、政府は大量の国債を増発しました。軍事費の膨張により国債の市中消化は次第に困難となりその大部分は日銀引受けで発行され、それが結果として悪性インフレーションの元凶となったのです。多額の戦費が必要となり、それを補うために貯蓄が奨励され、さらに臨時資金調整法に基づき発行されたのが戦時債券でした。国債の一般への売出しは郵便局で行われ戦時債券については郵便局に加えて、各種金融機関のほか、たばこ屋やデパートなどでも行われたようです。

 終戦後、日本は戦後処理として巨額の財政支出を余儀なくされ、これによりハイパーインフレが発生しました。このため政府は、金融緊急措置令および日本銀行券預入令を公布し、いわゆる預金封鎖を行ったのです。この預金封鎖とハイパーインフレにより、戦時中に発行された国債や多くの紙幣が紙屑同然になりました。このイメージが残っていたことや、政府の債務残高や日銀の国債保有割合などの様子に加え、さらに郵便局でも発行されることなどから、当時と非常に似た状況になっていたことで、個人向け国債発行に対してのマイナスイメージがもたらされたものと思われます。

 バブル崩壊後、金融システム不安やデフレの進行といったことから日本経済も大きな打撃を蒙りました。しかし、戦後の状況に比べれば経済状況などは大きな違いがあります。私も戦後生まれですので戦後の悲惨な状況は親などからの話などからしか実感はできませんでしたが、国民の生活水準などはまったく比べようもないぐらい現在の方が安定していたことも事実です。

 膨大な政府の借金を返済するためには、ハイパーインフレなり、預金封鎖を実施せざるを得ないといった極端な意見すら聞かれることもありました。しかし、現在、政府が巨額債務を抱え、さ
らに海外格付け機関から日本国債の格下げが実施されようと、国債は安定的に発行され続けているのは事実です。まだ、個人に買ってもらわなければ国債消化ができないといった状況でもありません。日本国内の機関投資家などの買いによって十分に安定消化されているのです。これは結果とすれば我々国民の預貯金や生保や年金のお金で国債を買っているということにもなります。

 しかし、今後もさらに安定した国債発行を行うためにも投資家層の拡大が必要であり、それは国債管理政策といわれるものの一環でもありました。そのためには海外投資家による国債購入を促進したり、個人に直接国債を買ってもらうという必要性が出てきたことで、個人向け国債が発行されたのです。
[PR]
by nihonkokusai | 2006-03-14 14:34 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー