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「日銀に対する政府の意向」

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 10~12月期GDPが発表された17日、小泉首相は「まだ、デフレ状況を脱却したとは言えない」としながらも「量的緩和政策解除の判断は日銀総裁に任せる」と述べている。

 これに対してマスコミの一部では「小泉首相の量的緩和政策解除をめぐる発言が、大きく転換した日だ」との見方もしていた。小泉首相は昨年11月に「(量的緩和解除は)まだ早いのではないか」と述べたことで、日銀に対して強いけん制球を投げたとみられていたためである。しかし、11月時点ではまだ早いとつのコメントにはむしろ違和感はない。

 2月9日の福井日銀総裁会見で量的緩和解除に一段と踏み込んだ発言をした翌10日にも「(量的緩和解除は)よく状況を見極めてもらいたい。デフレ状況を脱却したかどうか、そのうえでの判断だ」と小泉首相は述べている。

 ここで注意したいのは、デフレ脱却が量的緩和解除の絶対必要条件になっているのかどうかという点である。

 与謝野経済財政金融担当相は22日の記者会見において「今言われているのは、GDPデフレーターがマイナスになっているということだけに過ぎない」とコメントしている。ただし与謝野担当相は日銀法改正に現在の福井総裁とともに関わっていた経緯もあり、やや日銀寄りの姿勢であることは念頭に置く必要がある。

 しかし、内閣府の高橋進政策統括官(経済財政分析担当)はロイターとのインタビューにおいて、量的緩和解除とゼロ金利解除は異なるとし、デフレ脱却して初めて、ゼロ金利解除になると述べている。さらに、量的緩和解除については、日銀が提示している3条件が整えばいずれ解除されるものの、実体経済に大きな影響はなく問題はないとの考えを示した。

 高橋統括官は「デフレ脱却と言い切れるのは、ある程度、消費者物価がマージンを持ってプラスになってくる(時だ)。その時はGDPデフレーターもゼロ近傍、水面上に出てくる。その時になってデフレ脱却と言える」とし「それまでは、日銀は政府と一体となって確実にデフレ脱却するための政策を続けることに変わりはない。量的緩和解除とゼロ金利解除は全く違う。デフレ脱却して初めてゼロ金利解除になる」と述べたと伝えられている(ロイター)。

 17日の小泉首相の発言も、もし内閣府の高橋進政策統括官の考え方に沿うと、政府もデフレ脱却宣言を出していない以上、「まだ、デフレ状況を脱却したとは言えない」。しかし、量的緩和解除とゼロ金利解除は異なるとなれば「量的緩和政策解除の判断は日銀総裁に任せる」ということになる。これは私自身が首相の日銀の金融政策の考え方と勝手に解釈してきたものに近い。

 1月全国消費者物価指数の発表を受けたあと、謝野経済財政金融担当相は「全ては日銀が決めることだが、物事を決断する以上、責任ある決断をしてほしいし、結果についても日銀が責任を負うという自覚のもとでやってほしい。独自の判断と責任は常に一体のものだ」と主張した。

 竹中担当相は「日銀の金融政策の中身について事前にコメントしない。そこは日銀が責任をもって決めることだ」と指摘している。

 量的緩和解除については日銀が責任を持って行うこととし、それについては政府は少なくとも反対はしない。つまりは議決延期請求権の行使はない。ただし、ゼロ金利の解除については、政府のデフレ脱却宣言が必要条件ともなるものとみられる。

 小泉首相とすれば自らの退陣前にはデフレ脱却宣言を出したい意向とも思われる。そのため、もしGDPデフレーターがゼロ近傍かそれ以上が確認できればデフレ脱却宣言を出すこととなろう。そうなれば、それは日銀のゼロ金利解除、つまり利上げが実施される可能性が高まることを意味するものと考える。
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by nihonkokusai | 2006-03-06 09:55 | 日銀 | Comments(0)
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