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「極めて低い金利」

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 短期金利は上昇圧力を強め、本日も債券は中短期債主体に売り圧力を強めている。2年241回は2001年2月6日以来となる0.4%がヒットされ、5年 52回は10日に1%台をつけてから本日は1.045%まで売られている。これらの売りは3月決算を睨んで銀行主体にリスクを減らしているためともみられている。今年度決算においては特に株式市場の上昇により銀行の決算もかなりの含み益があるとみられ、利益確定のための株式の売りとともに、債券も決算を固める上でもさらにポジションを落とすなり、スワップ市場などを使ってリスクヘッジをしているものとみられる。

 欧米の利上げとともに日銀も量的緩和解除が視野に入ってきたことで、世界的な過剰流動性相場の後退も意識され、それにともなう海外投資家の動きも活発化している。

 市場では量的緩和解除のタイミングについてもまだ見解は分かれているが、3月から4月にかけての解除はほぼ織り込み済みともみられる。問題はその後の利上げのタイミングかともみられる。水野日銀審議委員は「ターム物金利に上昇圧力がかかり、早期利上げを催促する展開も想定される」と寄稿論文でコメントしているようだが、そもそもゼロ金利の長期化を前提にした量的緩和解除についても疑問を投げかけている。

 これに関して興味深いことがある。昨年の日銀総裁の記者会見の要旨を見ると、

 「実質的にゼロ金利、名目的にもゼロ金利になった時点以降に、どのような金利水準に誘導するかはその時の情勢次第である。」2005.10.12

 「枠組み変更後、極めて低い短期金利の水準を経て」2005.10.31

 言葉尻を捉えるようなことになってしまうが、枠組み変更後の金利についてわずかの期間の間に微妙に言葉を変えており「ゼロ金利」ではなく「極めて低い短期金利」との表現に変化している。これ以降は「極めて低い短期金利」との表現を用いている。

 これは「ゼロ金利政策」という表現上、短期金利は「ゼロ」とのイメージを抱いてしまうが、現実には0.001%といったように金利はわずかながらもついているため、現実にはゼロ金利ではないことを示したと見られていた。

 それとともに水野審議委員のコメントにもあるように、経済環境次第によってはターム物などに金利上昇圧力が加わり、金利が上昇することも加味した上での「極めて低い短期金利」との表現にしていた可能性もある。

 ところが面白いことに武藤副総裁は下記のようにいまだにゼロ金利との表現を使っている。

 「量的緩和政策解除後、ゼロ金利がどのくらい続くのか、あるいはどのくらいの時点で、経済物価情勢に見合ったということで金利が引き上げられていくのかということについては・・・」2006.2.2

 この福井総裁と武藤副総裁の言い回しの微妙な違いといったことは、それぞれの立場といったものを意識したものかもしれない。特に武藤副総裁は政府などを含めてのバランサーとしての役割も担っているともみられ、引き続き「ゼロ金利」との表現を使うことによって日銀に対しての風当たりを弱めることを狙っている可能性もある。

 もしくは総裁と2人の副総裁で構成される執行部内での微妙な考え方の違いがここに表されているのかもしれない。このような細かい点は、それほど意識すべきものではないかもしれないが、個人的には気になるところでもある。
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by nihonkokusai | 2006-02-13 13:18 | 日銀 | Comments(0)
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