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「人民元2%の切り上げ」

 中国人民銀行は21日、人民元を1ドル8.276元から8.11元へ約2.1%切り下げ、基準値の上下0.3%以内で変動(取引バンドは1ドル8.0857-8.1343)、対ドルベッグ制を廃止し、通貨バスケット制度を採用すると発表。

 切り上げのタイミングは予想外であったものの切り上げ幅が2%に止まったことからその影響はとりあえず限定的なものと見られる。問題はこれをきっかけに元が今後どの程度切り上げられるかによるものとなろう。通貨バスケット制度を採用するということから、米債は長期債などが大きく売られたが、これはあくまで地合いが悪かったところへ材料が加わったためとも見られる。ドル円についても円安がかなり進行していただけにその反動が大きかったと見ておいた方が良さそうである。

 今回の元切り上げは小さな一歩ではあるものの、まさに歴史的な出来事とも言えるものと思われる。ニクソンショックやその後のスミソニアン合意なんかも比較されるのではなかろうか。参考までに当時の様子は下記のような状況であった。

 「昭和46年(1971年)年8月15日に、当時のニクソン米国大統領は、米国の国際収支の赤字を削減してドルの流出を防ぐ目的により、外国の通貨当局に対してドルと金との交換停止を通告したのである。これによって、戦後続いてきたドルを基軸通貨とする固定相場制は終了し、1ドル360円の固定相場制は中止され、変動相場制に移行したのである。欧州各国は変動相場制の対応に追われるなか、日本だけは輸出企業を守るために、円レートを守ることを最優先課題とした。12月のスミソニアン合意により、1ドルは308円に切り下げられたのだが、円の切り上げが不可避となっても、それを最小限に押さえ込もうと必死の対応をしたのである。その結果が、大量の国債発行による内需拡大と極端な金融緩和の実施となった。」

(文春新書「日本国債は危なくない」より)
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by nihonkokusai | 2005-07-22 10:29 | 国際情勢 | Comments(3)
Commented by チャナ at 2005-07-22 21:22 x
経済について勉強中の者です。
初心者で申し訳ないのですが質問させて下さい。

>日本だけは輸出企業を守るために、円レートを守ることを最優先課題とした。12月のスミソニアン合意により、1ドルは308円に切り下げられたのだが、円の切り上げが不可避となっても、それを最小限に押さえ込もうと必死の対応をしたのである。その結果が、大量の国債発行による内需拡大と極端な金融緩和の実施となった。

大量の国債発行による内需拡大とは公共事業によるものでしょうか?
国債を発行すると言うことは資金を市場から回収してしまい消費に回らないことはないのでしょうか?

内需促進が円安を導くというのはどのように解釈すればいいのでしょうか?
内需が促進されると経済が成長し日本に資金が集まり円高になるのではないでしょうか?
また経済が成長するとやがては金利が引き上げられて円高になるのではないでしょうか?

以上、誠に初心者で申し訳ございませんが教えていただけますでしょうか。
Commented by はなママ at 2005-07-23 00:04 x
為替王さん、こんばんは。
トラックバックありがとうございます。
私は為替取引初心者なので、いつも参考にさせていただいています。
昨日の値動きには驚きました。
Commented by nihonkokusai at 2005-07-23 08:18
チャナさん、はじめまして。

国債を発行する際に問題となるのは、消費よりも投資に影響すると考えられます。民間の貯蓄を、国債という財政資金と民間投資などの民間資金が競合してしまう結果生じるクラウディングアウトといった現象がむしろ危惧されると考えられています。

また、極端な金融緩和はまさに円高対策となりますし、これは円高にともなう不況対策ともなります。また、内需拡大については、円高の要因が日本の貿易黒字の拡大等にあったため、それを少しでも抑えるため内需を拡大するとともに、円高不況に対する対策の意味合いもあったものと思われます。
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