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「東証の想定の範囲外」

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 昨日、東証は終了20分前に売買全面停止という事態に陥り、これにより日経平均株価は一時700円以上下げるなど、ライブドアショックで不安定になっていた市場に対して、さらに火に油を注ぐかたちとなってしまった。東証は今月10日に1日あたりの注文件数処理能力を750万件から900万件に引き上げ、これにより約定件数も450万件に引き上げられていたが、それでも間に合わないという不測の事態となってしまったのである。

 単元株制度の導入により、発行企業が最低売買単位(単元)を自由に設定できるようになり、現在では数百円から数百万円までと大きな開きが生じている上に、最低売買単位も1株から1000株まで多岐にわたっている。このため先日の大手証券の発注ミスのように、プロですら売買単位を間違いやすい状態にもなっている。

 さらに数百円で取引できるライブドアなどは1株を百株に分割された結果のものであり、これもライブドアの株価吊り上げのひとつの要因とも見られている。1株500円台で売り買いできるため、その分取引件数はかさ上げされる上、よりによってそのワンコイン株価を作り上げた張本人であるライブドアの事件ということで、さらに注文件数が急増したものとみられる。

 ヘッジファンドなどの小口に分散しての売買も売買高増加要因とも指摘されているが、極端なことを言えば、まさか法人がライブドアを1株ずつ注文するとも思えず、主要因は最低取引価格の引き下げとそれにともなう個人投資家の頻繁な売買にあるのではないかとみられる。

 最低取引単位の引き下げと個人投資家による異常なまで回転売買を、そのまま放置しておいてシステムだけで対応しようとした東証は、やはり対策を誤っていたのではなかろうか。個人株主の育成は東証だけでなく日本の資本市場にとっても不可欠とみられていただけに、現在の個人による株式売買の異常なまでの広がりを規制することは、なかなか踏み出せなかったというのも理解はできなくはないが、何事も度が過ぎれば問題が引き起こされる。

 ベテランの債券市場関係者にとっても1980年代の債券ディーリング盛況の時代は懐かしいながらもややほろ苦い思い出にもなっていよう。言い過ぎかもしれないが当時は債券関係者は総ディーラーといった様相で頻繁に89回債や先物を売買していたはずである。しかし、それも長くは続かなかった。その後の急落などで大きな痛手を蒙った参加者も多いはずであり、痛手ではすまず犠牲になった参加者もいたのも事実である。そして債券バブルの崩壊にあたっては「タテホショック」といわれる事業法人による債券先物の大幅損失といった事態も引き起こされていた。この経験を今回の株式市場における個人投資家の動きと重ね合わせるには無理があるかもしれないが、かたやプロ主体、かたやアマ主体といっても所詮相場は相場である。

 今回は東証の想定したキャパの問題が主原因ではなく、売買単位や過剰なまでの回転売買を繰り返す個人投機家に対して何ら手を打たなかったことが大きな原因できなかったかと思う。14年間も回転商いで飯を食っていた私が主張しても説得性はないかもしれないが、個人が仕事を持たず株の回転売買だけで生活していくといったことは、やはり異常であるといわざるを得ない。
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by nihonkokusai | 2006-01-19 14:02 | 債券市場 | Comments(0)
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