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メガバンクの国債売買高が大きく落ち込む

 9月20日に日本証券業協会は8月の公社債投資家別売買高を発表した。公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

8月の公社債投資家別差し引き売買高 注意、マイナスが買い越し、単位・億円
()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別

都市銀行-5354(-3637、730、-2074)
地方銀行 1057(-287、1964、265)
信託銀行-256(-1177、-2413、2094)
農林系金融機関-4167(-2416、42、-150)
第二地銀協加盟行-363(-60、-50、45)
信用金庫 3138(-89、121、3186)
その他金融機関-3683(-283、-46、-3214)
生保・損保-2761(-2808、123、647)
投資信託 21(381、-370、471)
官公庁共済組合-46(-99、44、0)
事業法人-76(38、10、2)
その他法人-754(-496、31、9)
外国人-16838(-1108、-5390、-9702)
個人 266(1、32、6)
その他 19172(9845、6303、7208)
債券ディーラー 471(91、191、158)

 都銀は7月に続いて買い越しとなった。特に超長期債を3637億円の買い越しとなり、業態別では超長期を最も買い越した格好となった。地銀は7月の買い越しから売り越しに転じた。海外投資家は中期ゾーンを主体に引き続き大幅買い越しとなった。海外投資家の買い越しは26か月連続となる。

 7月には欧米の長期金利が過去最低を記録し、日本の10年債利回りも7月8日にマイナス0.3%をつけた。20年債利回りも7月6日にマイナス0.005%をつけてマイナスとなったが、ここからこの超長期債主体に売り込まれた。20年までの国債利回りがマイナスとなったところで超長期債を売却した投資家もいたようで、ここからの利回り低下は考えられないとの見方も強まっていた。

 7月27日に154円台まで上昇していた債券先物は7月29日の日銀金融政策決定会合をきっかけに急落することになる。日銀は「金融政策の強化」としてETFの買入を現行の3.3兆円から6兆円とすることなどを決定したが、一部期待のあったマイナス金利の深掘りや国債買入の増加などは見送られた。ヘリコプターマネーへの期待などもあったことで、この決定会合結果を受けて債券相場は調整局面入りした。

 8月2日の10年国債入札が低調な結果となったことで債券先物は150円66銭まで売られたが、この150円66銭が債券先物中心限月の直近安値となり、それ以降は先物に関しては151円台中心のレンジ相場が続くことになる。ただし、超長期債はじりじりと売り込まれ、20年債利回りは8月末にかけて0.3%台に上昇していた。この超長期債を主体とした下落局面で都銀、農林系金融機関、生保などは淡々と押し目買いを入れていたようである。

 国債の投資家別売買高(一覧)での合計の国債売買高でみてみると2016年5月分の国債売買高は162兆1940億円となり、統計のある2004年4月以降最低となっていた。6月は201兆7760億円と回復し、7月は183兆9885億円と6月からは減少した。そして8月は189兆9590億円と7月に比べて小幅増加した。

 ただし、個別でみると都銀の国債売買高は8月は1兆7326億円にとどまりデータがある過去最低と2004年4月からでは過去最低となった。ピークは日銀が国債の買い入れ対象の国債を残存1年以上3年以下に延長した2012年4月の78兆4276億円となっていたが、そこからいったん10兆円割れまで落ち込んだが、日銀が量的・質的緩和の拡大を決定した2014年10月に40兆円台を回復。しかし、そこから再び売買高が落ち込み、特に今年に入り日銀のマイナス金利政策の影響もあって、1兆円台にまで落ち込んだ。21日に日銀が金融政策の枠組みを修正し、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入したひとつの要因として、国債市場のメインプレーヤーであったはずの都銀の国債売買高の落ち込みも影響していたのではないかと思われる。

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by nihonkokusai | 2016-09-24 10:44 | 債券市場 | Comments(0)
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