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米利上げ時期を左右しかねないブレイナードFRB理事

 現在のFRBでの要注意人物としては当然ながらイエレン議長がいる。さらにそれを補佐するフィッシャー副議長も注意すべき人物である。さらにここにニューヨーク連銀のダドリー総裁も含めて、いわば執行部とされる人物の発言には今後の金融政策の動向をみる上で注意が必要となる。

 しかし、ここにもうひとり利上げ時期を左右しかねない要注意人物が存在している。その人物とは、ラエル・ブレイナード理事である。日本の為替政策にも大きな影響を与えていた人物である。

 たとえば、2013年2月12日のG7による緊急共同声明について、円の過度な動きに懸念を表明することがG7の目的だったとの匿名のG7筋による発言があった。この匿名のG7高官とはブレイナード財務次官である可能性が高いとされた。

 ブレイナード財務次官(当時)はご主人がカート・キャンベル元東アジア・太平洋担当国務次官補で親日家であるが、こと為替政策についてブレイナード氏は安倍政権の動きを牽制していた。そのブレイナード氏はいまFRBの理事となっている。

 ブレイナード元財務次官が何故、FRBに送り込まれたのか。それは現政権とFRBの橋渡し的な役割を与えられているとの見方は当然できる。このブレイナード理事の部屋が近頃、イエレン議長の部屋の近くになったとの観測もある。

 しかも今年は大統領選挙の年であり、民主党のヒラリー・クリントン氏が大統領となった際の財務長官の候補のひとりに、ブレイナード氏の名前がすでに挙がっている。

 ブレイナード氏のFRB理事としてのこれまでの発言をみると、利上げを急ぎ過ぎることに対して警鐘を鳴らすなど、いわばハト派といえる。正常化を急ぐイエレン議長に対してブレーキを掛けている存在でもある。

 このブレイナード氏の勢力が増しているため、FRBの年内利上げが難しくなるとの見方も存在する。しかし、そうはいっても正常化路線はイエレン議長が進めている政策であり、フィッシャー副議長の賛同があり、積極的ではないにしろダドリー総裁も賛同すれば、理事の立場からブレイナード氏は反対しにくくなる。

 ただし、大統領選挙の結果が明らかになりクリントン氏が仮に大統領となれば、ブレイナード氏を通じて新政権の意向が伝えられるような事態も予想される。そうであるのであれば、イエレン議長としては12月まで利上げを待つというのは政治的なリスクが出てくる可能性もある。そういった意味で経済指標等を確認した上ではあるが、FRBの9月の利上げの可能性は意外と高いのではないかとの見方も出来るのではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2016-08-15 09:31 | 中央銀行 | Comments(0)
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