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日銀の金融政策に対する内外からの批判

 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、為替相場の下落につながるような政策決定を行う際に事前に通知することで合意したことを明らかにした(ロイター)

 また、「正直に言って、日本についても討議された。競争的な通貨切り下げの状況に陥るのではないかとの多少の懸念があった」と発言。「他が追随し、競争的な切り下げとなるリスクは非常に大きい」と述べたそうである(ブルームバーグ)。

 通貨安を狙った金融緩和は、デイセルブルム議長のお膝元であるユーロ圏の中央銀行も行っているように思うが、それはさておいてサプライズを狙った1月の日銀によるマイナス金利政策の導入に対してあからさまな批判をしていたように思われる。

 日銀のマイナス金利政策の直接の狙いは市場にあったことは確かであり、それは年初からの円高株安対策であった。これに対処するために黒田総裁が取った手段がサプライズ狙いのマイナス金利であったが、それはいろいろな意味で裏目に出ている。

 そのひとつは相場の地合を読み切れていなかったことが挙げられる。12月のECBの追加緩和や日銀の補完措置を受けての相場の動きを認識していなかったようである。つまり 中央銀行の追加緩和(もしくはそれに準ずるもの)に対して、順張りで反応する地合ではなくなっていた。

 財務官として為替介入等を指揮した黒田総裁は政府・日銀が動けば相場は屈するとの認識を持っていたのかもしれないが、為替介入を含めて地合を読めなければうまくはいかない。力尽くでは相場は簡単に抑えきれない。

 そして、マイナス金利に対しての世論も日銀は読み切れていなかったのではなかろうか。先日、大阪でマイナス金利や国債に関する講演をさせていただいたが、来場された方々にはかなり熱心に聞いていただいた。マイナス金利への国民の関心はかなり高いが、それは期待ではなく不安である。それも日銀は読み間違えていたのではなかろうか。

 今度は外圧も掛かってきた。特に日銀に対してサプライズ的な金融緩和はするなと釘を刺し、次に追加緩和をする際には事前通告をするようにとG20で合意がなされていた。これは米国あたりからの強い依頼があったであろうことが容易に想像がつくが、追加緩和イコール円安狙いとの認識がもたれている以上、日銀は市場の動揺を抑えるためとしての追加緩和がさらに難しくなる。

 このように国内外から日銀の金融政策に対しての批判も強まりつつある。日銀はいくらでも緩和手段はあると豪語するが、正直言えばこれ以上何もするなという意見も多くなってくるのではなかろうか。異次元緩和を行っても物価目標達成という成果はあがらなかった。マイナス金利にしても成果が上がるとは思えない。さらに将来の出口政策も考える必要もある。前進あるのみの金融政策からブレーキを掛けて、これまでの経緯をいったん振り返ることも重要ではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2016-03-01 09:16 | 日銀 | Comments(0)
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