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日銀の追加緩和の可能性を探る

 年初からのリスク回避の動きは原油先物や日米の株価の反発でいったん底打ちしたかに見えるが、まだまだ予断の許せない状況にある。

 今回のリスク回避の動きの背景には、中国など新興国の景気減速と原油価格の下落などにあるが、米国の金融政策の正常化などによる資金の流れの変化等も大きく影響している。中国を代表とする新興国バブルの崩壊、日米欧の中央銀行の大胆な金融緩和策による過剰流動性相場の巻き返し、さらには原油安によるオイルマネーの流れの変化等が、今回の相場変調の要因になっていると思われる。

 東京株式市場も年初から急落し、それとともに円高が進行したこと、さらには原油安による物価への影響等を受けて、日銀に対して追加緩和期待が強まっている。一足先にECBのドラギ総裁は次回会合での金融政策の見直しの可能性に言及、つまり追加緩和の検討を示唆した。

 それでは1月28、29日の今年はじめてとなる日銀の金融政策決定会合で日銀は動きを見せるのであろうか。

 黒田総裁となってからの日銀の金融政策はサプライズも意識していることから非常に読みづらい。ドラギ総裁のような事前通告を行うよりも、機密保持のため少人数で金融政策の方向性を決めているといった観測もある。

 いまの日銀がフレキシブルな金融政策を行っていたのであれば、1月の会合での追加緩和の可能性はある。しかし、12月の決定会合での調整は、あくまで補完措置としたように、バズーカ以外は金融政策ではなく、戦力の小出しのような政策はとらないことをあらためて示した。

 2013年4月の異次元緩和はその規模もさりながら、スピード感が市場予想を超えていた。外部からきた黒田新総裁が挨拶回りだけでもたいへんなのに短期間で大規模な緩和策はまとめられるのか、ということが私も疑問であったが、このあたり凄腕の参謀というか軍師の存在もあったように思われる。

 2014年10月の異次元緩和パート2は、タイミングが重視されていたように思われる。FRBのテーパリング終了、原油価格の下落、消費増税の行方、株安円高の進行、GPIFの動き等々からみて、なかなか効果的なタイミングを狙ったように思われる。

 それでは1月の決定会合はどうであるのか。円高株安の進行、原油安による物価目標達成時期の先送りが予想されることなどから、追加緩和を検討してもおかしくはない。しかし、ここで残り少ないカードを切るべきかどうとなると、タイミングとしてはあまり条件は揃っていないように思う。金融政策は円安株高のために行うのではないというのが表向きの説明となる上に、原油価格の下落に対しては日銀の金融政策は有効手段ではない。むろん原油の大量の買入を日銀が行うというのであれば話は違うが。

 今年は参院選も控えている。安倍政権も株価は重視はしているものの、外部要因による株の下落であるのであれば安倍政権の経済運営に責任があるわけではないという理由付けも可能か。

 さらに、ここで株価に対し追加緩和で下支えしようとしても、素直にマーケットが反応するという保証もない。反応したとしても一時的、むしろネガティブに反応する懸念すらある。

 日銀としては追加緩和の可能性はあり、その手段は有していることをアピールした上で、残り少ないカードの有効利用を図るのではないかと予想する。そうであれば1月28、29日の追加緩和は見送りという結論となる。さらに今年から決定会合が年8回となったことで、次回会合(3月14、15日)までのスペースが空くことも、むしろ日銀には時間が稼げるため好都合ではないかと思われる。

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by nihonkokusai | 2016-01-27 10:02 | 日銀 | Comments(0)
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