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2016年は日銀にとって正念場に

 2016年から日銀とECBは金融政策を決める会合をそれぞれ年8回の開催としFRBと同じ回数となる。開催時期もFRBとほぼ同時期となり、1月、3月、4月、6月、7月、9月、10月~11月、12月となる。

 日銀は1月、3月、7月、10月~11月の会合では展望レポートの発表も予定されている。また、各決定会合の1週間後をメドに「主な意見」を公表する。ただし、12月17~18日の金融政策決定会合に関しては1月8日に「主な意見」が公表される。「主な意見」がどのような形式となるのかも興味深いながら、この決定会合では異次元緩和の補完措置が決定されており、各委員の意見の違いも確認したい。

 政策委員のメンバーのなかでは来年3月31日に白井さゆり審議委員が任期を迎える。再任の可能性もなくはないが、あらたに学者枠から後任が選出されるのではなかろうか。その場合、アベノミクスや異次元緩和に理解を示す人物が選出されるとみられる。

 6月29日には石田浩二審議委員が任期を迎える。こちらも再任とはならず、銀行出身の後任が選出されるのではないかと予想される。こちらの人事には若干の注意も必要となる。石田委員は12月18日の補完措置の決定において、資産の買入れの変更などに対し、佐藤委員や木内委員とともに反対票を投じている。後任が銀行出身者から選出されるとして、異次元緩和に異を唱える人物を首相官邸が選出するとは思えない。しかし、銀行枠で異次元緩和に理解を示す人物を選出することも難しい。結局、トヨタ出身の布野幸利審議委員のように比較的中立的な立場の人物が選出されるのではなかろうか。

 日銀ではないものの、この日銀の政策委員の人選等にも影響があると思われる首相官邸内での人事の行方も注意したい。政府は本田悦朗内閣官房参与を退任させ、欧州某国の大使として転出させる方針を固めたと報じられている。本田氏は安倍首相の経済政策のアドバイザーであり、ここに空席が生まれる。安倍政権にとっての経済政策は柱であり、ここに新たな人物を置く可能性もある。その人物次第では日銀の政策委員人事に微妙な影響を与えるかもしれない。

 肝心の2016年の日銀の金融政策そのものの行方を占うことは難しい。2016年末にかけて日銀の物価目標が達成できる確率は極めて低いと予想している。そのひとつの鍵を握る原油価格に関しては、いまのところ大きく戻る気配はなく、円安への期待も難しい。

 この環境下での追加緩和に関しても困難な状況にある。18日の補完措置により大規模な国債買入を継続させることを容易にした。しかし、異次元緩和のパート1、パート2のような大規模な追加緩和を新たに行う余地には乏しい。18日の変更もあくまで補完措置であると強調したように、戦力の逐次投入のようなかたちの金融緩和も想定しづらい。マイナス金利等についても黒田総裁は否定している。

 このため、2016年の日銀の金融政策は現在の異次元緩和を継続させることが重視されるのではないかとみられる。しかし、FRBの利上げをきっかけに市場のマインドは変化しつつある。また、世界的な資金の流れも変化しつつあるなか、何かしらの理由付けにより、物価目標の達成はさておいて、日銀が追加緩和よりも出口を見据えた政策に転じる可能性もないとは言えない。2016年が日銀の金融政策にとって大きな正念場となる可能性がある。

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by nihonkokusai | 2015-12-31 10:47 | 日銀 | Comments(0)
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