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日銀の金融緩和の補完措置への市場の反応

 18日の日銀の金融政策決定会合の終了時間はいつもより大幅に遅れ12時50分近くとなった。過去の例からはここまで延びてたということは何かしらの政策があらたに検討されているのではとの見方が出ていた。実際に日銀は新たな手段を講じてきた。

 金融政策そのものは据え置いた、つまりマネタリーベースの目標は年間80兆円増加となり据え置かれたものの(8対1の賛成多数)、量的・質的緩和を補完するためとして、いくつかの措置を発表した(6対3、反対は石田・佐藤・木内委員)。

 そのひとつはこれまで7~10年であった買い入れ国債の平均残存を、来年から7~12年程度に変更するとした。これは少しでも日銀の国債買入の余地を拡げるとともに、来年度の国債発行計画を睨んだものとも言えるか。また、中短期債はマイナス金利となっていることもあり、このあたりも意識した可能性もある。

 ETFは現在の3兆円の買い入れ枠に加え、新たに3000億円の枠を設けるとした。同時に金融機関から買い入れる株式の売却完了期限の10年間の延長も決めた。買い入れ枠の増額は、日銀が金融機関から買入れた株式を2016年4月以降に市場売却するため、売却に伴う株式市場への影響を軽減する観点からという理由による。REITについては、銘柄別の発行額における買い入れ限度の割合を5%以内から10%以内に引き上げる。ただし、買い入れ総額は変わらない。

 何故、このタイミングで日銀は追加緩和に見えるような微調整を行ってきたのか。日銀としてはあくまで追加緩和でなく異次元緩和の補完としたのは、追加緩和の逐次投入というかたちではないということを示すためなのか。そもそもマネタリーベースの目標値を大きく上げることは難しいために、追加緩和ではないがその効果を市場に与えようとしたのか。そうであれば、このタイミングは、米利上げ決定や政府の補正予算編成などを意識したものとも言える。しかし、政府などはこれ以上の円安に関しては望んでおらず、ここで日銀が動く理由は見当たらない。

 強いて言えば何もできないだろうと高をくくられていたところに、微調整ながら政策を打ち出すことでサプライズを狙ったのか。しかし、結果としては仮に追加緩和のような効果を狙ったとして、このような手段を講じるしかないことを市場に見透かされてしまうことにもなりかねない。12月3日のECB理事会の追加緩和を受けて、市場が物足りないとの理由で負の反応をしてしまった。昨日の東京株式市場の動きも同様であった。追加緩和だと思ったが違ったので乱高下したとの見方もできるかもしれないが、市場のセンチメントが変化している点にも注意すべきである。追加緩和、もしくはそれに準ずるものに市場が素直に反応するような地合ではなくなっている。

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by nihonkokusai | 2015-12-19 11:31 | 日銀 | Comments(0)
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