牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

銀行の誕生とその発達

 銀行というシステムの誕生とその後の発達が、経済社会システムの近代化に果たした役割は大きかったと言われます。中世ヨーロッパの経済は、封建社会であり土地所有が基礎となっていました。このため、銀行業の発達によって、富の源泉を土地所有以外の財やサービスの供給に求めることを可能としたのです。つまり、銀行業の発達は近代市民社会を築く礎にもなったといえます。

 さらに、貿易の拡大によって富が蓄積され、そのお金が再度運用されるなど、金融の仕組みが徐々に整ってきました。ヨーロッパの歴史における銀行業の発達は、膨大な国家の債務管理と産業革命によってさらに促されることとなります。

 ヨーロッパでは17~18世紀の相次ぐ戦乱によって、いずれの国も財政赤字が慢性化していました。それまでの国家財政の赤字は、保有している土地の売却や、没収、さらに商人たちへの債務不履行といった手段で補っていました。しかし、国債の発行やそれを引受ける中央銀行が設立された英国のように、戦費の調達や送金を迅速に行うための国家による新たな資金調達手段が生み出されました。

 国家の信用に重きが置かれ、さらに現在の国債管理政策のような国家債務の管理などの必要性が高まってきたのです。商工業の近代化によって、貨幣や信用制度を国家規模で整備する必要性も出てきました。

 18~19世紀にはイギリスの産業革命などによって、既存勢力であった地主や貴族に加えて、商人や金融業者がその存在感を強めてきました。力をつけた市民層に対して、増大する財やサービスの取引に見合った金融サービスが提供されるようになってきたのです。こうした状況下、個人銀行家ではなく、公的な性格を持つ銀行が設立されるようになりました。預金の受入れや為替手形の引受け、銀行口座間での資金や債権の振替を行う近代的な銀行の必要性が高まったためです。

 そのひとつが、17世紀初頭のオランダに設立されたアムステルダム振替銀行です。個人の金貸しといった高利の金融を追放することで、貨幣の混乱を抑え、さらに商業発展のために資金を必要とする人々への資金供給を目的とし、結果として資金決済の安定に寄与することとなりました。信用に裏付けられた支払い手段が構築されることで、商業や流通を拡大させる基盤ともなったのです。

 また、国家債務の管理によって業容を拡大した銀行は株式会社組織へ形態を変化させ、支店制度の発展によって業容を拡大しました。不特定多数の投資家のお金を集めて投資するマーチャント・バンクと呼ばれる銀行形態も誕生し、イギリスの産業革命に伴う大規模な鉄道等のインフラの整備などにも携わるようになったのです。こういった銀行の発達とともに、銀行の銀行たる中央銀行というシステムも確立されたのです。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。ご登録はこちらからお願いいたします。

ヤフー版(サイトでお読み頂けます)
まぐまぐ版(メルマガでお読み頂けます)
BLOGOS版(メルマガでお読み頂けます)

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp
[PR]
by nihonkokusai | 2015-12-06 11:10 | 金融の歴史 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31