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2年国債利回りがマイナスの理由

 ドラギ総裁の発言等を受けてECBの追加緩和観測が強まり、ユーロ圏の国債は中短期債を中心に買い進まれ、ドイツやベルギー、スペインなどの2年債利回りは過去債低を更新中である。24日にはドイツの2年債利回りは初めてマイナス0.40%を下回った。

 日本国債も2年債利回りが一時マイナス0.03%に低下するなどマイナス圏にあるが、これはユーロ圏の国債がマイナス利回りとなったので、日本国債も2年債利回りがマイナスになったわけではない。そもそもマイナス金利の国債を購入したい投資家は本来存在しないし、マイナス金利を喜ぶ市場参加者もいない。それではどうして日本でもマイナス金利で国債を購入する市場参加者がいるのであろうか。

 日本国債のマイナス金利化に貢献しているのはヘッジファンドなどの海外投資家とされる。国内投資家は国債運用に対してマイナスでの運用は当然ながらできない。もし日銀に当座預金口座があれば、そこに置いておけば超過準備分にはプラス0.1%の利子が付く。また海外投資家が入っていない短期金融市場などではマイナス金利は発生していないし、預貯金金利もマイナスになっているわけではない。

 海外投資家はドルをベーシススワップで円に交換して購入するとプレミアムがつく状態にある。日本の投資家にとり国内金利が低迷し、相対的に利回りの高い米国債などへの需要が強くなるなど、ドル需要が旺盛なことなどがその背景にある。海外投資家にすると、ベーシススワップ取引によりつくプレミアム分が利子相当となり、ドルを円に買えてマイナス金利の2年債を購入してもお釣りがくる勘定となる。このため、ある程度のマイナス金利でも収益はプラスとなる。これにより日本国債の2年債利回りがマイナスになっている。

 証券会社などの業者もマイナス金利のものでの運用は現実的ではない。しかし、実勢利回りがマイナスとなっていることで、日銀がマイナス金利でも買入してくれるのであれば、損失も限定的となる。日銀との取引もたいへん重要であり、日銀の国債買入がフォローになってマイナス金利が維持されている側面もある。

 日銀にとっても買い入れる国債の利回りがマイナスというのは、やはり避けたいところであろう。中短期債が海外投資家の需要により引き締まっていることもあり、日銀は中短期ゾーンの買入額を減額させたが、この背景には日銀としてもマイナス金利はなるべく避けたいとの意向が働いたのではとの見方もある。これにより2年債利回りは一時マイナス圏を脱したが、再びマイナス圏にいる。

 27日には2年国債の入札がある。この入札で2年債の落札利回りが再びマイナスになるのかどうかも注目されている。昨年12月の2年債入札では平均落札利回りがマイナス0.003%となったが、それ以降の2年債入札での落札利回りのマイナス金利はない。

 財務省で26日に国債市場特別参加者会合が、27日には国債投資家懇談会が開かれるが、来年度の国債発行計画での中短期債の発行額なども気になるところではある。

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by nihonkokusai | 2015-11-27 09:42 | 国債 | Comments(0)
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