海外勢の日本国債の大幅買い越し続く
10月の公社債投資家別差し引き売買高
注意、マイナスは買い越し、単位・億円
()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別
都市銀行 17094(2635、11239、3605)
地方銀行 -7791(-759、-4020、21)
信託銀行 3725(1916、344、2653)
農林系金融機関 -1702(-994、122、-20)
第二地銀協加盟行 -1035(-320、-61、310)
信用金庫 -2285(-736、84、17)
その他金融機関 -4251(-599、553、-3934)
生保・損保 -2761(-2019、132、471)
投資信託 -3146(-767、-520、-1384)
官公庁共済組合 -226(16、-105、2)
事業法人 -2211(171、-13、-1780)
その他法人 -981(23、-24、-33)
外国人 -30193(-2358、-2358、-24094)
個人 324(9、55、11)
その他 29851(10877、3619、20002)
債券ディーラー 88(128、-145、108)
9月に都銀は1兆1033億円の売り越しとなっていたが、都銀は10月も1兆7094億円の売り越しとなった。売り越しはそろそろ限界かとの声もあったが、2か月連続で再び売り越しとなった。同時に公表された国債投資家別売買高でみると、都銀は超長期債を2635億円売り越し、長期債を1兆1239億円売り越し、中期債を3605億円売り越しと、それぞれの年限で売り越しとなった。
そして、10月も「その他」が2兆9851億円もの売り越しとなっていた。9月は1兆7779億円の売り越し。10月は超長期債を1兆877億円、長期債を3619億円、中期債を2兆2億円と万遍なく売り越しとなっていた。引き続き、ゆうちょ銀行やかんぽ生命の動きであろうか。さらに信託銀行も3725億円の売り越しとなった。これらは政府の意向を組んでの国債の投資比率の引き下げを行っているようにもみえる。
これらに対して外国人は、10月は3兆193億円もの買い越しとなった。9月は1兆7779億円、8月は2兆4121億円の買い越し。外国人は16か月連続の買い越しとなる。超長期債を2358億円、長期債を2358億円、中期債を2兆4094億円、それぞれ買い越していた。
地銀は7791億円買い越しと長期債主体の買い越し。生損保は2761億円買い越しとなり、超長期債主体の買い越しとなった。
10月の債券市場は、債券先物は148円台、10年債利回りは0.3%近辺での膠着相場が続いていた。需給面では都銀やゆうちょ、年金などの売りに対して、海外勢が中期債主体に買い越しとなった上で、日銀の買入があったため相場が高値圏で維持されていたようにみえる。債券先物などの動きをみると、閑散とした相場のようではあったが、現物債の売買高は7月あたりからやや減少傾向ではあるものの、それなりの規模は維持されていた。
*** 「牛さん熊さんの本日の債券」配信のお知らせ ***
「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。ご登録はこちらからお願いいたします。
ヤフー版(サイトでお読み頂けます)
まぐまぐ版(メルマガでお読み頂けます)
BLOGOS版(メルマガでお読み頂けます)
講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp