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中国は8月に米国債を売っていなかった?

 米財務省が発表している米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、「8月」の国別の米国債保有高のトップは引き続き中国(China、Mainland)であり、しかもここ1年あまりでは最も多い1兆2705億ドルとなっていた。二番目は日本の1兆1970億ドルとなっていた。

 8月11日に中国人民銀行は人民元取引の目安となる基準値の算出方法を変更し、対ドル基準値を前日比1.9%近く引き下げた。つまり人民元の引き下げを実施した。米財務省の為替問題議会報告によると、中国は7~9月の3か月間で2290億ドルの為替介入を実施したとされる。しかし、米国債国別保有残高の数字を見る限り、8月末時点ではそのための米国債の売却は行われていなかったように見える。ただし、この数字がいずれ修正される可能性もあるため、実際に大量のドル売り介入のための米国債の売却があったのかどうかは、これだけでは確定的ではない。

 中国の8月の外貨準備は3兆5600億ドルと前月比940億ドル減となっており、絶対額としては過去最大の減少を記録していた。米国債国別保有残高を見る限り、この影響は米国債保有高には現れていない。

 参考までに8月時点の日本の外貨準備は1兆2442億ドルであり、このうち1兆1191億ドルが証券となっている。8月の日本の米国債保有高は1兆1970億ドルであり、ほぼ整合する。つまりこの外貨準備の大部分が米国債で保有されていることになる。

 ところが中国に関しては外貨準備が日本の倍以上存在しているにも関わらず、中国の米国債の保有高は1兆2000億ドル近辺で日本とほぼ並んだ状況となっている。残りの2兆ドルあまりはいったい何で運用されているのであろうか。

 中国の外貨準備の運用先は非公開となっているようであり、そうであれば8月の人民元切り下げ時の介入資金は米国債を売却せずとも、残りの2兆ドルあまりから取り崩せば可能となる。本当に2兆ドルあまりが中国国内に存在するのであればだが。

 そもそも2兆ドル以上もの資金の運用先はどこかにあるのか。世界有数の発行量を誇る日本国債にも資金が流れている可能性はあるものの、8月の日本の公社債投資別売買高を確認しても、外国人は売るどころか大きく日本国債を買い越していた。

 はたして中国の介入資金はどのように調達していたのか。そもそも外貨準備の相当分は何で運用しているのか、謎は深まるばかりである。

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by nihonkokusai | 2015-10-22 09:25 | 国債 | Comments(0)
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