牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

FRBは9月利上げの可能性を排除せず

 8月27日から29日にかけて開催されたワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀主催のシンポジウムにはイエレン議長は出席しておらず、フィッシャー副議長などの発言が注目されていた。

 FRBの副議長スタンレー・フィッシャー氏は米国とイスラエルの両国籍を持ち、以前はイスラエル銀行の総裁だった。バーナンキFRB前議長やドラギECB総裁などを教えた大学教授としてだけではなく、世界銀行チーフエコノミスト、IMF筆頭副専務理事、民間銀行などで実務も経験している。

 ジャクソンホールでCNBCとインタビューに臨んだフィッシャー副議長は、最近の市場の乱高下を受け、9月利上げの切迫性は薄れたと感じたかとの質問に対し、「結論を出すには未だ時期尚早だ」と応じた。その上で「われわれは引き続き、状況がどのように展開していくかを見極めている」としたそうである。それと同時に利上げ実施に向けた論拠が圧倒的となるまで待っていては遅過ぎるとの見解も示した(ロイター)。

 その前にFRBの重鎮のひとりであるニューヨーク連銀のダドリー総裁が26日の質疑応答で、「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は数週間前に比べやや弱くなっているようだ」と語っていた。

 中国を発端とした相場の変動もあり、年内利上げを示唆していたFRBの動向が注目された。特に9月16~17日のFOMCで利上げを実施する可能性について市場はかなり注目しており、ジャクソンホールに参加したFRB関係者の発言に注目度が集まっていた。そのなかで最初にダドリー総裁が9月の利上げの可能性をやや後退させる発言をしたあと、フィッシャー副議長が9月の利上げの可能性を排除しない姿勢を見せたのである。

 これはFOMCメンバーがそれぞれ自分の意見を勝手に言っているわけではないと思われる。今回の発言に関してはイエレン議長を含めて事前に周到な準備をしていた可能性がある。つまり9月の利上げについては可能性は排除しないものの、以前に比べれば慎重に見ている姿勢を、ジャクソンホールに参加しているFOMCのキーマン二人に示唆させたのではなかろうか。

 この発言から9月の利上げの可能性の有無を推測するのは難しい。当然ながら決めるのは9月16日~17日でのFOMCであり、メンバーの多数決による。それでも流れを作るのはイエレン議長などの執行部である。金融政策とは表面上は直接関係ないとはいえ、来年の米大統領選挙も控え、少なくとも出口政策は年内にスタートしたいというのがイエレン議長の意思とみられる。ただし、あくまで慎重に行うことを示す上でも、ここは9月というよりも12月の可能性を見ていた方が良いのではなかろうか。ある程度のシナリオができているとすれば議長会見のない10月のFOMCでの可能性は薄いとみていた方が良い思う。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。ご登録はこちらからお願いいたします。

ヤフー版(サイトでお読み頂けます)
まぐまぐ版(メルマガでお読み頂けます)
BLOGOS版(メルマガでお読み頂けます)

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp
[PR]
by nihonkokusai | 2015-09-01 09:30 | 中央銀行 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー