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ギリシャよりも原油下落に注意

 銀行での預金の引き出し制限など資本規制が導入されたことに伴って、6月26日から取引が停止されていたギリシャの株式市場が8月3日に再開した。5週間ぶりの再開となったが、その間にギリシャはぎりぎりのところでデフォルトやユーロ離脱を回避した。アテネ株価総合指数は一時、取り引きが停止される前の6月26日の終値に対し、22%余り下落した。資本規制の導入による影響を受けた大手銀行の株式には売り注文が殺到し、いずれもストップ安となったようである。指数の引け値は16.2%安と、過去最大の下落幅を記録した。

 ギリシャの株式市場の混乱はまだ続くものとみられるが、これにより欧州全体に再び金融不安が拡がることは考えづらい。今回の下落は5週間も動くに動けなかった投資家のリスク回避のためのポジション調整等が入ったとみられ、ある程度売られると落ち着きを取り戻してくると予想される。

 ギリシャにとって最悪の事態は回避された。むろん債権団の要求する緊縮策はギリシャ国内の経済にも影響を与えよう。総選挙の可能性も指摘されるが、ギリシャ国民は緊縮策は嫌だが、ユーロ離脱はもっと嫌だという選択をチプラス首相に委ねた格好であり、危機の火種は残っても再び燃え拡がる可能性は後退しつつある。

 それよりも注意すべきは、ここにきての原油価格の下落である。原油価格下落による世界的なデフレ圧力の強まりや、石油関連会社の業績への懸念も無視はできないが、日本などではむしろ恩恵になりうる。それよりも原油を含めての商品市況の低迷の背景にあるものに注意すべきである。

 その背景のひとつに中国経済の減速懸念がある。すでに中国株が大きく調整し、政府が買い支え策を講じざるを得なくなっている。いつかはやってくるとされた中国バブルの崩壊リスクも感じさせる動きとなっている。貴金属の先物の下落などがそれを示唆していた。それが原油や中国の株式市場の調整にも繋がり、資源国とされる国々にも影響し、資源国通貨も調整局面となっている。

 BRICsと呼ばれた国々(ブラジル、ロシア、インド、中国)を代表する新興国経済の減速が、新たなリスクを生む可能性がある。中国経済は以前ほどの影響力はなくなってはいるが、世界経済全体にも影響を及ぼしかねない。FRBの年内利上げは、よほどのショックがなければ実施されるとみているが、世界的なリスク回避のための日米欧の中央銀行の異次元の緩和政策も方向転換を迎えつつある。この資金の流れの変化も新興国市場には悪影響となる。原油価格の下落とその背景にあるものに今後は注意を向ける必要があろう。

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by nihonkokusai | 2015-08-05 09:44 | 国際情勢 | Comments(0)
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