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日欧米の長期金利の変動は一時的なのか

 ここにきて欧米市場を揺るがしている要因は欧米の長期金利の急反発であるが、特に顕著なのがドイツの長期金利といえる。ドイツの長期金利は昨年1月初めの1.9%台から右肩下がりとなり、今年の4月16日には0.1%を割り込み、17日に0.049%まで低下した。しかし、ここから急反発し7日に0.78%まで上昇した。

 米国の長期金利も1月30日に記録した1.64%から5月12日には一時2.37%まで上昇していたが、チャートをみるとそれほど振れが大きいわけでもない。今回、注意すべきは2014年当初からほぼ一方的に低下基調となっていたドイツの長期金利のトレンド変化と言える。

 果たしてこのドイツの長期金利の反転は一時的なものであるのか、それとも欧州の債券バブルの崩壊を意味するのか。今回のドイツの長期金利と同様の動きとしては、期間の違いはあれど、日本の1998年末の運用部ショックや2003年6月のVARショックと呼ばれたものと似ている。じりじりと長期金利が低下トレンドを形成したが、そのプチバブルが崩壊し、一時的な長期金利の急反発を招いた。しかし、その後の長期金利は落ち着いて再び低下しており、債券バブルそのものが崩壊したわけではない。

 これに対して1989年末にかけての日本の株式相場や地価の上昇と1990年以降のその急落はバブル崩壊といえるものとなり、その後、デフレというその遺症に苦しむことになる。

 2012年11月あたりからの円高トレンドの急激な調整も、バブル崩壊的な動きといえた。きっかけはアベノミクスではあったが、1989年末にかけての株高同様にポジションが大きく偏り、その反動が大きなものとなっていた。

 今回のドイツの長期金利の上昇が一時的なプチバブルの崩壊なのか、それともトレンドそのものに変化が生じるのか。いまのところはECBの量的緩和導入とそれによるドイツなどの国債買入による過剰なまでの金利低下の一時的な反動との見方ができよう。日本の債券市場同様に流動性の低下も相場の攪乱要因になったとみられるが、バブルの崩壊時はプチであろうが流動性リスクは一気に大きくなることも確かである。

 今回の世界的な金利上昇の震源地はドイツであったが、その余震を引き継ぎ次の震源となりそうなのは米国の長期金利となる。年内のFRBによる利上げはよほどのことがない限りは実行されよう。これからのFOMCでは毎回利上げが協議されるとしており、市場では7月以降のFOMCでの利上げが予想されている。イエレン議長もその心の準備をしておくように警告を発していた。テーパリングの可能性を指摘したバーナンキ・ショックで米長期金利は一時3%台をつけている。ここが米長期金利にとっての大きな目安となろう。

 超低金利時代の終焉は欧州の信用リスクが後退した2012年末あたりからかと予想していたが、日銀の異次元緩和とECBの量的緩和が、そこからさらに異常ともいえる超低金利を生み出した。その反動の兆しがここにきての日欧米の長期金利の変動に現れているとすれば、もしかするとプチバブルの崩壊では済まないのかもしれない。

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by nihonkokusai | 2015-05-14 09:11 | 債券市場 | Comments(0)
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