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日本国債が動揺し始めた可能性も

 3月27日に発表された2月の全国消費者物価指数は総合で前年比プラス2.2%、生鮮食料品を除く総合、いわゆるコア指数で前年比プラス2.0%(日銀試算の消費増税の影響を除いて前年比ゼロ%)、食料及びエネルギーを除く総合、いわゆるコアコアで前年比プラス2.0%と発表された。

 2月のコア指数の予想は消費増税の影響を除いて前年比プラス0.1%となっていたが、それよりも前年比伸び率は縮小し、2013年5月、つまり日銀が量的・質的緩和を決めた翌月のCPIの水準に戻ってきた。

 今後のコアCPIは一時的にしろ前年比マイナスとなる可能性があり、日銀も3月17日の金融政策決定会合の公表文で、消費者物価の前年比について、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられるとして、マイナスとなる可能性も想定しているようである。

 消費者物価指数は2015年4月分からは、2014年4月にスタートした消費増税による影響が剥落する。このため、コアCPIは前年比でゼロ%近辺の数字になると予想される。もし想定以上の便乗値上げ等がされていれば、その分も剥落する可能性がある。

 いずれにしても日銀による2年程度での2%の物価目標の達成は極めて困難となる。デフレ脱却とはどのようなことを示すのかとの認識は人それぞれかもしれないが、日銀が大胆な緩和で物価を上げるとの目標達成が困難となる以上、当然ながら日銀の政策が物価に影響を与えてデフレが改善したとの見立てには無理が出てくる。

 いわゆるリフレ派と呼ばれる人たちからは、「アベノミクスを否定する人に債券市場関係者が多い」との声が聞かれるが、そもそも異次元緩和がどのような経路で物価に影響を与えるのか、その肝心要となる国債を運用している人たちには理解不能であったためである。現実に結果としてもその効果が出ていなかったことが、このように示される格好となった。

 日銀はすでに後戻りできない状況に追い込まれてしまっている。26日に就任した原田泰審議委員(元早大教授)は就任会見で、追加緩和物価が上がらず人々のデフレマインドが強まるなら、追加緩和も必要と明言した。しかし、すでに異次元緩和第一弾、さらに第二弾まで実施しても、肝心の物価は上がってこない現実を見る限り、追加緩和に効果があるとは思えず、むしろさらに財政ファイナンスのリスクなどを高めてしまう危険がある。

 かといって市場の反応を考慮すれば、金融政策の目標をマネタリーベースから変更するなど、量的緩和を止めるわけにも行かないであろう。このまま大規模な国債買入を永遠と続けざるを得なくなる恐れもある。27日の債券相場は久しぶりに先物主導で一時大きく下落し、10年債利回りも0.4%台に乗せた。決算期末要因や、前日の米国債や英国債の急落の余波かもしれないが、日本国債が動揺し始めた可能性もありうるか。

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by nihonkokusai | 2015-03-29 10:04 | 債券市場 | Comments(0)
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