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債券市場の機能低下

 日銀は3月9日に債券市場サーベイ(2月調査)の結果を初めて公表した。債券市場サーベイとは、債券市場での取引動向や金利見通しについて、日銀の国債売買オペの対象先に聞いた調査である。

 国債市場の流動性に関して、例えば黒田日銀総裁は2月4日の衆院予算委員会で「これまでのところ国債買い入れなどについて特別に支障をきたすような状況は起こっていない。市場流動性なども様々な指標を見る限り低下していない」と答えている。日銀としては流動性は低下していない、債券市場の機能は低下していないという認識であった。

 黒田総裁などが国債市場の流動性が低下していない理由としては、現物市場や先物市場の出来高がある程度の水準を維持していたことも要因であり、投資家が国債を売却する際に、どの業者でも同じような水準で受けてくることなど、特に売買そのものやオペで支障がなかったことも要因かと思われる。ところが現場からは機能低下への懸念の声はむしろ強まりつつあり、今回のサーベイはそれを示した格好となった。

 日銀としても売買高等だけでは市場の機能が低下しているのかどうかの判別が難しいことは認識しているとみられ、単刀直入に債券市場の機能度をヒアリングし、ビッド・アスク・スプレッドの動向、板の厚みについて聞いている。これらはやや感覚的なものとなるものの、市場の流動性を読むにはこの感覚的なものが重要視される。

 債券市場の機能度については、高いと答えた割合が5%しかない。さほど高くないが65%、低いと答えた割合が30%となっている。3か月前と比べた変化においては、低下したと答えた割合が75%もあった。2月の債券相場は1月20日のピークから調整局面に入っていたことも影響していたと思うが、日銀の認識とは大きな隔たりがあった。

 ビッド・アスク・スプレッドについては、投資家にヒアリングをかけたほうが良いと思うものの、業者としても タイトであると答えたのは12.5%しかない。板の厚みについては「多い」と答えた人はゼロであった。これらについては中期、長期、超長期と年限別の回答も聞きたいところではある。特に超長期債については流動性がかなり低下しているであろうと思われる。

 それでも商いそのものについては、意図した価格やロットでの取引はそれなりに出来ているようである(ただし、出来ているとの回答は3割程度)。このため、いまのところ債券市場の流動性が懸念材料とまではなっていない。しかし、潜在的なリスク要因となりうることも確かである。何かしらの悪材料が出た場合には、異次元緩和以前でも一時的にせよ流動性は著しく低下した。過去にはリーマン・ショックの際、変動利付き国債や物価連動国債の売買がストップしてしまうような事態も発生している。今回のサーベイは異次元緩和後の市場の流動性を計る上で貴重なものといえる。

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by nihonkokusai | 2015-03-11 09:46 | 債券市場 | Comments(0)
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