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世界のマイナス金利政策の変遷

 中央銀行で最も歴史の古いスウェーデンの中央銀行、リクスバンクは2月12日に政策金利であるレポレートをゼロからマイナス0.1%に引き下げた。そして同時に約100億クローナ(約1400億円)の国債を買い入れると表明した。年限は1年から5年の国債が対象になる。

 今回は政策金利のマイナス化について過去の経緯を追ってみたい。ひとつ注意すべきは、現在の日米欧の中央銀行の政策金利はコリドーと呼ばれる幅を設けている。中心にあるのが主要政策金利であり、それに対して上限と下限を別に設けている。

 政策金利がマイナスというのは、主要政策金利そのものがマイナスとなることを示すのか、それとも下限がマイナスとなればマイナス金利政策とするのか、はたまた別の手段でマイナス金利政策とするのか、このあたりの判断基準が必要となるが、過去のマイナス金利の経緯を追ってみた。

 1970年代にスイス中銀が為替管理の一環としてマイナス金利政策を導入したことがあるが、対象は国外から流入する外国人の金融資産のみとなっていた。

 2009年7月にスウェーデンの中央銀行のリクスバンクーはマイナス金利政策を実施した。この際は、下限金利であるところの預金ファシリティ金利をマイナス0.25%としていた。

 2012年7月にデンマーク中銀も主要政策金利である貸出金利を0.25%引き下げ0.20%にし、下限金利であるところの譲渡性預金金利を0.05%からマイナス0.20%に引き下げ、マイナス金利とした。

 2014年4月にデンマーク中銀は、譲渡性預金金利を従来のマイナス0.1%からプラス0.05%とプラス圏へ引き上げると発表した。

 2014年6月5日のECB政策理事会では、主要政策金利のリファイナンス金利が0.25%から0.15%に引き下げられ、下限金利であるところの中銀預金金利(預金ファシリティ金利)をマイナス0.1%とした。

 2014年12月18日にスイス中銀はマイナス金利を導入すると発表した。金融機関がスイス中銀に持つ支払い用の口座について、預入金が一定額を超える分に0.25%の手数料を求める。

 2015年1月19日にデンマーク中銀は主要政策金利である銀行の貸出レートを0.20%から0.05%に、譲渡性預金金利も0.15%引き下げマイナス0.20%とした。

 2015年1月22日のECB理事会で量的緩和策の実施を決定した。ECBの指揮によりユーロ圏の各国中銀が2015年3月から国債を含めて毎月600億ユーロの資産を買い入れ、それを2016年の9月まで続け、買い入れ総額は1兆ユーロを超す見通し。

 そして、今回リクスバンクが主要政策金利であるレポレートをゼロからマイナス0.1%に引き下げたのである。それと同時に国債の買入も決定した。

 ECBもリクスバンクも政策金利のマイナス化と国債買入を同時に行うこととなり、本来の意味での量的緩和とはやや発想が異なる。日銀が超過準備に付利を残しているのは、金融政策のターゲットをマネタリーベースに置いているためであり、マネタリーベースが増えると物価も上がるとの理屈による。しかし、ECBはマイナス金利と同時に国債買入を行うということはマネタリーベースの増加よりも、長期金利の低下を促すことなどでの通貨安が狙いとなっているとみられる。

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by nihonkokusai | 2015-02-15 08:23 | 中央銀行 | Comments(0)
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