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債券相場はピークアウトした可能性

 ここにきて日本の債券市場の動きが不安定になってきている。債券先物の日足チャートを確認すると、2013年5月23日のバーナンキ・ショック以来、債券先物は上昇トレンドを形成していた。
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 2013年5月22日にバーナンキFRB議長は上下両院合同経済委員会の証言後の質疑応答で、景気指標の改善が続けば債券購入のペースを減速させる可能性があると指摘し、FRBが正常化に向けた動きをはじめる可能性が出てきた、このため22日に米債が急落し、長期金利が2%台に乗せ、これがバーナンキ・ショックと呼ばれた。23日の日本の債券は下落し、長期金利一時1%つけるが、その後株急落等で債券は急反発し、ここからむしろ上昇トレンドを形成していったのである。

 2013年9月のFOMCでテーパリング開始が決定されるのではないかとの思惑で、米長期金利が3%台に乗せるなどしたことで、円債も一時的な調整が入った。しかし、9月のFOMCではテーパリングの開始は決定されず、再び円債も上昇トレンドを復活させていた。債券先物は8月30日の高値144円48銭から9月9日の142円80銭まで1円68銭の調整があった(以下、債券先物の高値と安値はすべてイブニングを除く日中のものを参照)。

 2013年12月のFOMCでテーパリングの開始が決定され、この際も11月29日の145円18銭から12月30日の143円20銭まで1円98銭の調整が入った。

 2014年3月13日に債券先物は一時1円安となった。これは売りのロットを間違えるなど特殊要因が入ったとみられ、すぐに値を戻したことでこれは調整ではないと思われる。

 その後それほど大きな調整はなく、2014年8月29日の146円33銭から9月19日の145円25銭の1円08銭。この際はウクライナ情勢の緊迫化やスコットランドの住民投票などが材料視されていた。

 2014年11月4日の146円78銭から11月13日の145円71銭まで1円07銭の調整もあった。消費再増税を1年半延期とし、月内の衆院解散、来月の総選挙実施の可能性が強まり、それを材料にしての動きとみられた。

 そして今回の調整は2015年1月20日の148円67銭をピークに、2月6日の安値147円14銭とすでに1円50銭以上の調整とここにきての相場のなかでは、久々に大きな調整となっている。

 この要因としては2014年11月13日の145円71銭から2015年1月20日の148円67銭まで、3円近くも上昇した反動という側面もあろう。しかし、注意すべきはこの間に残存5年を超える国債の利回りがマイナスとなるなど、かなりのオーバーシュートも見られたことである。1月20日には5年債のカレント物の利回りはマイナスに、10年債は一時0.195%と0.2%を割り込み、20年債利回りは0.845%、30年債利回りは1.040%と1%に接近していた。

 これがややオーバーシュート気味であったことは、1月22日の20年国債入札後の先物の大幅下落、28日に2年債利回りがマイナスを解消するなどの動きもあったことからも明らかである。そしてこのオーバーシュートを誘ったのが、ECBの量的緩和導入の動きであり、1月22日のECB理事会で量的緩和が決定された。

 2月3日の10年国債の入札では最低落札価格が予想を大きく下回り、テールが記録的な長さになるなど市場参加者の動揺を示すものとなった。

 今回の調整も一時的なものであるのか。現状ではここからさらに利回りが低下する要因は考えづらい。需給面では日銀の巨額買入が継続し、それが下支えとなろうが、マイナス金利はオーバーシュートであることは明らかである。ここにきて利付国債の利回りはマイナスから脱している。日銀の当座預金の付利が0.1%となっている以上は、それ以上の大きな利回り低下は現実としては難しい。付利の引き下げや撤廃、マイナス化の予想もあるが、日銀が金融政策の目標値をマネタリーベースから変更しない限りそれも困難となる。

 さらにここにきて最大の買い要因であったECBの量的緩和導入も現実化した。そして今後はFRBの利上げが控えている。債券相場はすでにピークアウトしつつあるとの見方も可能なのではなかろうか。その意味では今回の調整は過去のような一時的なものとの見方は考えづらい気もするのだが

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by nihonkokusai | 2015-02-10 09:35 | 債券市場 | Comments(0)
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