牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「シ団廃止」

 19日に開催された「国債発行世話人会」において、来年度以降、国債募集引受団(シ団)による10年国債の引受が行われないことが決定された。これにより、シ団は今年度末をもって廃止されることとなる。

 幸田真音さんの小説「日本国債」においても、国債急落後の国債市場改革の目玉としてシ団廃止が取り上げられていた。このシ団廃止によって、1998年末の運用部ショック以降に進められてきた国債管理政策がひとつの大きな区切りを迎える。すでに、日本版のプライマリーディーラー制度である国債市場特別参加者制度は定着しつつあり、シ団を完全に廃止しても問題はない。

 国債のシ団制度が開始されたのは、私のホームページの「国債関連の歴史年表」によると1966年1月である。つまり、戦後初めて国債が発行されたと同時にこのシ団制度が作られた。2006年3月末で廃止されることとなれば、約40年間に渡ってこのシ団は国債の安定消化のための役割を果たしてきたともいえる。ちなみにこのシ団制度とは、国債の募集・引受を目的として、主要な金融機関(平成17年12月現在1207機関)により組織された国債募集引受団(シ団)が総額引受を行う制度である。

 市中公募入札の導入・拡大によってシ団引受に係る競争入札比率は段階的に引上げられており、国債発行額に占めるシ団引受による発行額の割合は10%にまで低下していた。このためシ団廃止も時間の問題とも見られていた。

 シ団廃止にともない「国債発行世話人会」も廃止されるものとみられる。この国債発行世話人会」とは、シ団を構成する金融機関と財務省との間でシ団引受に関する意見交換を行う会合であり、毎年12月に開催され、次年度のシ団引受額を決定していたが、この会も重要事項を決定する会というよりも、セレモニーといった色彩が濃いものとなっていた。

 一時は、シ団を早期に廃止すべきとの論調も高まり、かなり注目もされていたものの、シ団引受シェアの低下とともに注目度も薄れ、結果的にはひっそりとその幕を閉じることとなりそうである。
(一部、財務省ホームページの資料を参考)

人気blogランキングに参加しました。クリックご協力いただけるとうれしいです。
[PR]
by nihonkokusai | 2005-12-22 10:14 | 国債 | Comments(3)
Commented by えぼし at 2005-12-25 05:11 x
はじめまして、牛熊さん。いつも楽しくブログ読ませていただいております。牛熊さんのブログは、面白いだけでなく、非常に勉強になるブログであり、いつも考えさせられます。シ団といってもいまいちぴんとこない初心者債券関係者なのですが、しかし債券のひとつの時代の終わりを象徴する出来事なんだろうなあと感じる限りです。(正直シ団というと事業債を想像してしまいます。)
Commented by nihonkokusai at 2005-12-26 15:44
えぼしさん、はじめまして。
書き込み、ありがとうございます。

 シ団の廃止は、日本の債券市場にとって大きな区切りになるのではないかと、思っています。また、本日書かせていただいたプライマリーバランスが黒字化することも大きな転換点ともなる気がします。ただこちらは果たして予定どおり達成できるのかどうか。

これからもよろしくお願いいたします。
Commented by えぼし at 2005-12-26 22:00 x
牛熊さん、コメントありがとうございます。
牛熊さんのおっしゃられる通り、いま債券市場は色々な意味で大きな転換点にある気がします。そんな転換点に遭遇できて、マーケットの一参加者として非常に幸せです。

非常に寒いですが、風邪など引かぬようご自愛ください。
これからもよろしくお願いします。
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31