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正常化に向かうFRBと無間地獄に陥りそうな日銀

 FRBのフィッシャー副議長は2日、WSJ紙主催の会議で「それに関する協議があったことが前回のFOMC議事要旨で分かっており、当局がその削除に数か月前よりも近づいているのは明白だ」と述べたそうである(ブルームバーグの記事より)

 「それ」というのはFOMC公表文にある、低金利を「相当な期間」維持する、との文言」に関するもので、「相当な期間」を削除するかどうかに関することである。すでに「相当な期間」という声明の表現に関しては、9月のFOMCで経済指標にかかわらずゼロ金利の長期化をコミットメントしたように映るとして見直しを求める声が出ていた。

 フィッシャー副議長は「われわれがそれを突如やめて何も言わないというのではなく、単にそれを削除し低金利を維持する期間に関するガイダンスのない状態にするということが想定できる」とコメントした。さらに「当局は市場を驚かせたくはない」とフィッシャー氏は指摘している。「当局は市場を驚かせたくはない」ために、今回、フィッシャー副議長は今回、このようなコメントを発したものとも考えられる。

 次回のFOMCは12月16日、17日に開催される。今回はFRB議長の会見もある。このタイミングで、「相当な期間」が削除され、「データを確認しながら」のようなコメントに置き換えられる可能性がある。これについては早期の利上げを意識したものではなく、あくまで利上げは経済指標など次第であると強調するであろうが、これは利上げに向けたステップのひとつとなることも確かである。

 フィッシャー副議長は先日、エネルギー価格の急落について、米消費押し上げにつながるとして歓迎する姿勢を示していた。ニューヨーク連銀のダドリー総裁も同じタイミングで同様の発言をしている。フィッシャー副議長は「原油価格下落によるインフレ率低下は一時的」とし、GDPの押し上げ要因になるとの見方を示した。これはつまり、原油価格の下落によるディスインフレへの懸念より、景気へのプラス効果を意識しているとの見方となり、これも利上げを意識しての発言と受け取れる。

 ここにきてのドル高はこの大御所、フィッシャー副議長の発言によるところも大きいと思われる。FRBは想定通りというか、ロードマップに沿って着々と正常化に向けた動きを進めていくことが予想される。

 それに対して日銀は原油価格の下落などにより想定外の事態となり、2%の物価目標達成に向けたロードマップが狂い始めている。その効果についての検証はなしに、果てしなく国債を買い続けなければならないような状況に陥ってしまっている。

 本来であればフレキシブルなインフレターゲットを設定すべきところが、リフレ派の主張に乗ってしまった安倍政権の意向もあり、達成しなければいけないような目標を設定してしまった。たまたま途中まではうまくいったように見えたが、やはり中央銀行が大胆に国債を買っても、単純に物価は上がるものではないという結果を見せつけられた。無間地獄に陥る前に、日銀はそれとなくフレキシブルな政策に戻す必要がある。

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by nihonkokusai | 2014-12-05 09:42 | 中央銀行 | Comments(0)
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