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FRBのゼロ金利解除は来年4~6月か

 10月8日に公表された9月のFOMC議事要旨において、ユーロ圏の成長減速や物価低迷が続けば「ドルがさらに上昇し(輸出企業など)米国の対外部門に有害な影響を及ぼす」との懸念が表明されたことなどから、8日の米国市場ではFRBの利上げ観測が後退、とされたが、FRBのスタンスそのものには大きな変化はない。

 たとえばFOMCの議事要旨のなかで使われている「相当な期間」という声明の表現に関して、経済指標にかかわらずゼロ金利の長期化をコミットメントしたように映るとして見直しを求める声が出ていた。ただし、多くのメンバーは現時点で手を加えれば、緩和姿勢の本質的なシフトと誤解されるとして据え置きを主張していた。「相当な期間」はなるべく早めに修正したいが、利上げ観測の強まりにより市場に余計な動揺は与えたくない。このあたりはじっくりやっていこう、ということであろう。

 この「相当な期間」について、注目すべき人物が面白い発言をしていた。FRBの大御所、フィッシャー副議長である。フィッシャー副議長が相当な期間とは「2か月から1年程度」と指摘したのである。経済指標次第としながらも、具体的な数字がまた出てきたことが興味深い。イエレン議長が就任直後に「相当な期間」を6か月程度と発言してしまい、その発言はなかったようなことにされている。しかし、今回のフィッシャー副議長の発言から、具体的な期日についてはある程度、想定していることがうかがえる。FRBにゼロ金利解除に向けたロードマップは存在していることは確かではなかろうか。

 ここにきてほかのFOMCの参加メンバーからもコメントが相次いでいる。リッチモンド連銀のラッカー総裁は、一般にFRB当局者が投資家よりも早い利上げ開始と積極的な引き締めサイクルを見込むことに関して、懸念材料には当たらないとの認識を示していた。

 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は7日に利上げを先送りするのは2015年半ばまでとなる可能性が高い、との見方を示した。

 サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁も9日、利上げ時期について、来年半ば頃を見込んでいると述べた。

 セントルイス連銀のブラード総裁は10月2日の講演で、「来年1-3月期に政策金利を引き上げたとしても、2012年9月に打ち出した計画に照らし合わせると、かなり慎重を期したことになるだろう」と述べている。

 ブラード総裁の発言はさておき、ハト派とされFRBの中心メンバーの一人ともいえるニューヨーク連銀のダドリー総裁が来年半ば「まで」と発言し、イエレン議長に近いとされるウィリアムズ総裁からも来年半ばとの発言が出ていた。さらにフィッシャー副議長も2か月から1年、つまり10月29日のFOMCでテーパリング終了が決定されるため、来年1月から10月あたりまでの間でのゼロ金利解除を見込んでいる。

 これらの発言からみてFRBのゼロ金利解除は、テーパリングから終了後から半年後の4月から2015年半ば、つまり6月あたりの可能性が高いのではなかろうかと思われる(4月28~29日か6月16~17日のFOMC)。

 ただし、問題は経済環境がそれを許すかということにもなりそうである。日銀の最初のゼロ金利解除はそごう問題で1か月先送りされた。今回は欧州や中国の景気動向が改めて意識されつつあり、9月のFOMC議事要旨にもあったが、日本経済とともに米経済への影響も懸念されている。あくまでこれが懸念に止まり、米国経済への影響は限定的となれば、来年春から初夏に向けてのゼロ金利解除観測が次第に強まってくることが予想される。

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by nihonkokusai | 2014-10-12 08:17 | 中央銀行 | Comments(0)
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