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ドラギECB総裁の量的緩和導入への本気度

 ECBのドラギ総裁は22日の欧州議会での証言で「必要になれば、責務の範囲内で追加の非伝統的政策手段を活用し、非伝統的な介入の規模や手段の組み合わせを変更する用意がECBにはある」と表明した(ロイター)。

 さらにドラギ総裁は、フランスのラジオ局とのインタビューで、「金融政策は長期にわたり緩和的であり続ける。理事会は、2%をやや下回る水準にインフレ率を回復させるため、すべての手段を活用するという決意において一致している」と述べた(9月24日のロイター)。

 ドラギ総裁はリトアニアの経済紙とのインタビューでも「中期インフレ目標に対するリスクに断固として対処する構えだ」と述べた。さらに「低水準のインフレが過度に長期化するリスクに対処する必要性が一段と高まる場合、われわれは、責務の範囲内で非伝統的な措置を追加で実施し、非伝統的な介入の規模または内容を変更する準備ができている」と述べた(25日のWSJ)。

 ECBは12月に新本部ビルに移転するそうである。参考までに欧州中央銀行はドイツのフランクフルトにある。新本部ビルは高さ185メートルの高層ビル2棟で、建設コストは最大12億ユーロ(約1220億円)となるとか。

 ドラギ総裁はどうやら真新しい本部ビルに移転することもあり、金融政策も新たな手段に移行しようとしているように思える。マスコミを使ってのコメントは、国債買入れによる量的緩和に反対するドイツなども意識して、ユーロ圏の国民への理解を求めているようにも思える。機が熟したとみたタイミングで、ドラギ総裁は非伝統的手段に打って出る可能性は徐々に高まりつつあると見ざるを得ない。物価や景気の動向を確認しながら、早ければ年内にも追加緩和が決定される可能性がある。

 また、イングランド銀行のカーニー総裁は25日の演説で、利上げ開始が近づいているとの認識を示した。カーニー総裁は、政策金利を過去最低から引き上げる時期についての判断は最近数か月に「一段と均衡」してきたと語っている。すでにイングランド銀行のMPCでは2人の委員が利上げを主張しており、こちらも早ければ年内に利上げを行う可能性がある。

 FRBは昨日、確認したように来年3月か4月のFOMCでの利上げ、つまりゼロ金利解除を実施する可能性が高いとみている。方向は違うが、ECB、BOEそしてFRBの金融政策の変更が近づきつつある。

 それに対して日銀はどうであろうか。9月26日に発表された8月の全国消費者物価指数(除く生鮮食料品)は、前年同月比で3.1%のプラスとなった。7月よりも伸びが0.2ポイント縮小し、予想も下回った。消費税引き上げの影響分(日銀試算)を差し引くと1.1%の上昇に止まる。9月東京都区部の消費者物価指数はエネルギー価格の上昇幅が縮小したため、コアCPIは縮小した。9月の全国コアCPIの前年比はさらに縮小してくる可能性もあり、先行き前年比プラス1.0%をキープできるか、微妙な状況となっている。

 今後は円安の影響も加味する必要はあるが、円安だけでCPIを目標値まで引き上げることにも無理がある。政府の消費増税判断との兼ね合い含め、さらにはECBの量的緩和の可能性の強まりなどもあり、日銀には今後、追加緩和圧力が強まりかねない。そのために先手を打って、黒田総裁は円安容認発言をしてきたとみられる。しかし、日銀のシナリオ通りになるとも限らず、年末に向けて日銀の動向も含め、日米欧の中央銀行の動きがさらに注目を浴びることになりそうである。

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by nihonkokusai | 2014-09-29 09:39 | 中央銀行 | Comments(0)
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