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債券相場の急変に備えるには

 日米欧の中央銀行の国債を中心とした非伝統的な手段による金融緩和は、ここにきて大きな転機を迎えつつある。

 イングランド銀行はすでに国債の新たな買入は行わず、今度は利上げが視野に入りつつある。それも年内に実施される可能性が出てきている。

 FRBは現在、テーパリングを続けており、10月にもそれを終了させる見込みである。10月以降は新規での国債やMBSの買入は停止され、膨れあがったポートフォリオの処理よりも前に、正常化にむけての利上げが検討される。FRBの利上げの時期予測はまちまちだが個人的には来年4月から6月あたりがターゲットになるとみている。

 ECBは6月に追加緩和を決定したが、国債には手を触れなかった。利下げとそれによるマイナス金利、TLTROなどを中心としたパーケージ政策となった。量的緩和への期待も強いようだが、ECBによる量的緩和についてはドイツなどの反対も根強く、特別な理由がない限り可能性はかなり低いとみている。

 このような状況下にあり、日銀だけがせっせと巨額の国債買入を継続している。ただし、日銀の掲げた物価目標も日銀のシナリオ通りに行けば来年には達成圏内に入るとしている。そのシナリオ通りに行けば追加緩和の可能性は後退し、目標に近づけば出口が意識されてくると予想される。

 出口が見えてきたときに、長期金利はさすがに反応を示すことが予想されるが、その際にどのような準備が必要になるのであろうか。

 金利が上がることよりも、まず金利が動くという事実に注目したい。今年の債券相場は非常に値動きが乏しくなっているが、4月あたりからは、値動きは小さいなかじりじりと上昇してきている。これは2003年6月あたりの相場を彷彿させる。いわゆるVARショックと呼ばれた国債急落前の姿に似ている。このときの相場の上昇はボラティリティの低下がひとつの要因であり、その後の相場急落はボラティリティの上昇が大きな要因となった。

 現在の債券市場は、ボラティリティの低下で見えにくくなっているが、流動性がかなり落ち込んでいることは確かであり、2003年6月のようにいったん相場が動き出すと、急激な動きとなる懸念が存在する。VARショックの際は20年国債の入札がひとつの原因となったが、今回も何かしらのきっかけで相場が急変動する可能性がある。

 それに備えるにはポジションを減らすなり、ディレーションを短期化する。さらに先物などデリバティブでヘッジするという手段がある。しかし、保険としてそれを行うと収益チャンスを逃すだけでなく、先物などの損失で利益を失う懸念もある。このため、流動性がそれなりに大きいものの保有を意識し、利益を追求するより、いざという時の換金性を重視すべきかと思われる。長期金利は0.5%であり、たとえばここから0.2%程度の利回り低下による機会損失などを考慮するより、さらなる利回り低下があっても無理をせず、長い期間の国債の新規の買い付けはなるべく控えておくことも必要になるかもしれない。

 タイミングよく債券先物などでのヘッジも可能かもしれないが、先物はいったんボラティリティが高まると乱高下しやすくなる。中途半端な相場勘での先物などのヘッジのための利用は控えた方が良いと思う。ただし、短期売買を得意とするディーラーがいれば、収益チャンスとなり、ヘッジというよりディーリング益狙いでそのような人員を配置するという手段もあるかもしれない。優秀なディーラーであれば、リスクを肌で感じ、彼らの相場勘で相場変動をいち早く見抜くことも可能となるかもしれない。ただし、そのような優れた相場勘を持つディーラーなどは限られていることも確かであるが。

 大きな相場変動が起きたとしても、ある程度の調整後はいったん収まるタイミングがある。そこで買うのでなく、そのタイミングで少しポジションを落として、これが本格的な金利上昇局面に向かうのか、それとも今回も一時的なものに止まるのか。このあたりの見極めも、相場を見ながら必要になると考える。

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by nihonkokusai | 2014-07-22 08:05 | 債券市場 | Comments(0)
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