牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

FRBのテーパリング終了と利上げのタイミング

 9日に6月開催のFOMC議事要旨が公表された。このなかでテーパリングに関し、今年10月の会合で終了させることが示唆された。

 FRBは昨年12月のFOMCにおいて毎月の米国とMBSの購入額を850億ドルから750億ドルに減少させ、量的緩和の縮小、いわゆるテーパリングを開始した。今年1月には650億ドルに縮小。3月に550億ドルに減少、4月に450億ドル、6月17~18日に350億ドルまで減少させてきた。7月29~30日の会合で250億ドル、9月16~17日に150億ドルとし、10月28~29日に150億ドルを一気に減らしてゼロとしてくるものと予想される。

 テーパリング開始以降の米国債はむしろ買われるなど、大口買い手となっていたFRBの存在感が薄れてきても、足元の需給が崩れる様子はない。国債入札も順調にこなすなど、少なくとも米国債の動向がテーパリングの障害となってはいない。ただし、これをみて日銀のテーパリングもさほど問題ないだろうとみるのは早計である。

 テーパリングの終了時期を10月に想定するとなればあと3か月しかない。その間のFOMCは今月分を含めてあと3回。テーパリング、つまり日本で言えば量的緩和政策の解除を行ったあとには、ゼロ金利政策の解除が控えている。これにより非常時の金融政策から正常化に向かうこととなる。

 正常化に向けての政策金利の引き上げについて、可能性は示されたものの、具体的な時期への言及はなかった。ただし、その準備段階としてリバースレポの活用や超過準備に付利される金利の操作などが検討されているようである。

 正常化に向けては、膨れあがったFRBのバランスシートの縮小も課題となる。日銀は2006年の量的緩和とゼロ金利解除の際に国債買入額は減少させていなかったが、日銀保有の国債残存額はその後減少している。買い入れる年限等を調整して自然なかたちで減少させていたものと思われる。

 4.2兆ドルにも及ぶ保有証券をどのようなかたちで減少させるのかもFOMCでは議論されていた。金融市場、特に米国債券市場に影響を与えないようにするためには、国債の売りオペという手段は技術的には可能でも選択肢には入れたくないであろう。それよりも自然体で減少させるには、再投資の打ち切りが選択肢となる。

 これについても利上げ開始の前か後かにするか意見が割れていた。テーパリング終了後、いきなり再投資の打ち切りもアナウンスされてしまうと、利上げ観測が急速に強まり、金融市場を混乱させる要因ともなる。むしろ利上げ時期を少しずつ明確にさせて市場に織り込ませた上で、利上げと同じタイミングで再投資の打ち切りも行う方が自然に見える。

 その利上げの時期であるが、イエレン議長の失言とされる半年後がひとつのサインとなっている。あのタイミングで具体的な時期に言及してしまったことはまさに失言であったかもしれないが、半年程度を想定していたことは確かであろう。その際には日銀の2006年の量的緩和解除からゼロ金利解除までが約4か月程度であったことも参考にされたと思われる。

 ここは慎重に事を運ぶ必要はあるが、正常化に向けた道筋を付けるためには、あまり先送りもしたくはない。まして1年も掛けるようなことは考えづらい。今年10月にテーパリングを終了できれば、来年前半での利上げを想定している可能性は高いのではなかろうか。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。ご登録はこちらからお願いいたします。

ヤフー版(サイトでお読み頂けます)
まぐまぐ版(メルマガでお読み頂けます)
BLOGOS版(メルマガでお読み頂けます)

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp
[PR]
by nihonkokusai | 2014-07-11 09:15 | 中央銀行 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー