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ユーロクリアと国債に絡む日本の決済機関

 ロシアや中国が保有する米国債の一部を移したのではないかとされるユーロクリアであるが、これについては金融市場の一部関係者を除いて馴染みがないかもしれない。むろん名前を聞いたことがある方は多いと思うが、具体的にどのような組織であるのかはあまり詳しく知っている方の方か少ないかもしれない。かくいう私もユーロクリアがベルギーにあったことは調べてみるまで知らなかった。

 そもそもユーロクリアとは、各国の国債などの証券の預託や取引、決済等を行う目的で設立された決済機関のことである。1968年にモルガン・ギャランティ・トラストによりベルギーのブリュッセルに設立された。2001年にフランスの決済機関と合併し、EU最大の国際証券決済機関となっているが、民間の機関である。

 ユーロクリアの参加者は世界の主要な銀行、証券会社、ブローカーなどに限られ、り、参加者から債券の寄託を受け混蔵保管している。参加者の指図による口座間振替によって決済を行っている。

 日本では決済機能を担う決済機関は、証券決済を行う証券集中保管機関(CSD:central securities depository)と、資金決済を行う銀行(日銀を含む)に分けられている。証券集中保管機関(CSD)は、参加者から預託を受けた有価証券を保管し、参加者間における有価証券の受渡しを券面の授受を行わずに口座振替(帳簿上の記帳の変更)によって処理している。株券等については株式会社証券保管振替機構(ほふり)が、国債については日銀がCSDとなっており、証券会社、銀行、清算機関等は参加者としてCSDに参加者口座を開設している(日本証券クリアリング機構のサイトより引用)。

 国債の決済は1988年に稼働した日銀ネットを通じて行われている。金融機関同士が行う資金取引の決済や国債など証券取引の代金の決済や、民間決済システムの最終的な決済に、日銀の当座預金での振替が利用されている。

 1994年に証券と資金の振替が同時に行われる決済方式であるDVP決済が導入された。これは資金の受払いと国債の受渡を相互に条件付け、一方が行われない限り他方も行われないといった仕組みである。

 さらに2001年からは国債決済にRTGS(即時グロス決済)が導入された。システミック・リスク(個別の金融機関の支払不能等や、特定の市場または決済システム等の機能不全が、他の金融機関や市場にもその影響が及び連鎖的に決済不能を引き起こし金融システム全体の機能が失われてしまうリスク)に対応するため、日銀ネットを使った決済については、1日の決まった時間に多くの受払いをまとめて受払差額のみを決済する方式(時点ネット決済)から、個別に随時決済を行うRTGS(即時グロス決済)という方式に一本化したのである。RTGSによる決済では、1件ずつ即時に決済を行うため、ある金融機関で決済不能が生じても、その影響を受けるのは取引相手の金融機関だけとなり、そこから連鎖的な決済不能といった事態は回避できる。

 2005年5月からは日本国債清算機関(JGBCC)の業務が開始された。日本国債清算機関は、国債市場の主要プレーヤである証券会社・銀行・短資会社等の共同出資により2003年10月に設立されたものである。現物国債のほとんどが店頭で取引されており、約定から決済に過程は約定から照合、そして清算、決済といった流れとなっているが、清算機関が創設される以前は、清算がないまま各当事者が相互に日銀ネット上で決済を行なっていた。しかし、清算機関が創設されたことにより、参加者同士の取引に関わる決済は、原則に日本国債清算機関に集約され、清算(ネッティング)を経て決済を行うことが可能となった。つまり参加者は決済上の相手方リスクを負うことなく、ネッティングにより決済量を大幅に減少させた上で、安全かつ効率的に決済することが可能となっている(日本国債清算機関のサイトを参考)。

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by nihonkokusai | 2014-05-21 08:11 | 国債 | Comments(0)
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